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日本人は足の裏や爪に多い!増加傾向のメラノーマの特徴と、確定診断までの流れ

 公開日:2025/12/12
メラノーマの診断

メラノーマの診断には視診・ダーモスコピー・組織生検といった複数の手法が用いられ、それぞれが重要な役割を果たします。視診では形状や色調を観察し、ダーモスコピーでは拡大して色素分布や血管構造を詳細に把握します。最終的な確定診断には組織生検が不可欠であり、病理組織学的検査によって悪性度や浸潤の深さを評価します。日本人における発生頻度は欧米より低いものの、近年は緩やかな増加傾向にあります。

高藤 円香

監修医師
高藤 円香(医師)

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防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

メラノーマの診断

メラノーマの診断には視診、ダーモスコピー、組織生検が用いられます。視診では病変の形状、色調、大きさ、表面性状を観察し、ABCDEルールに基づいて悪性度を評価します。ダーモスコピーは10から30倍程度に拡大して観察できる機器で、色素の分布パターンや血管構造を詳細に把握できます。

良性と悪性では特徴的なパターンが異なり、経験豊富な医師であれば高い精度で鑑別が可能です。組織生検は確定診断に不可欠であり、病変全体を切除する切除生検と、一部を採取する部分生検があります。メラノーマが疑われる場合は原則として切除生検が推奨されます。病理組織学的検査では、腫瘍細胞の形態、核の異型、細胞分裂像、浸潤の深さなどを評価し、メラノーマの確定診断と病期分類を行います。

メラノーマの発生頻度と好発部位

日本人におけるメラノーマの発生頻度は人口10万人あたり年間1から2人程度とされ、欧米と比較すると低い水準です。しかし近年は高齢化や生活環境の変化に伴い、患者さんの数は緩やかに増加傾向にあります。この増加傾向は、医療技術の進歩により発見率が向上したことも一因と考えられています。

日本人のメラノーマは足底が多く、次いで爪、手のひら、下腿などに好発します。これらの部位は慢性的な刺激や圧力を受けやすく、メラノサイトの異常増殖を引き起こす要因になると考えられています。欧米では体幹や四肢の露出部に多く発生し、紫外線が主要なリスク因子とされますが、日本人の場合は紫外線の影響を受けにくい部位にも生じる点が特徴的です。

まとめ

メラノーマの診断は、視診やダーモスコピーによる詳細な観察に加え、確定診断には切除生検による病理組織学的検査が不可欠です。これにより、悪性度の評価と正確な病期分類が行われます。

日本人におけるメラノーマの発生頻度は欧米より低いものの、近年は増加傾向にあります。足底、爪、手のひらといった刺激を受けやすい部位に好発するのが特徴です。早期発見のためには、これらの部位の異常に気づき、迅速に専門の医師の診察を受けることが重要です。

この記事の監修医師