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禁煙に挑戦したい方へ!専門医と選ぶ効果的な禁煙方法のポイント【医師監修】

 公開日:2025/11/21
効果的な禁煙方法の選択肢

禁煙を成功させるには、個人の依存度や生活状況に応じた適切な方法を選ぶことが重要です。ニコチン代替療法や医療機関で処方される薬物療法など、さまざまな選択肢があります。それぞれの方法の特徴と効果について、医学的根拠とともに詳しく解説します。

松本 学

監修医師
松本 学(きだ呼吸器・リハビリクリニック)

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兵庫医科大学医学部卒業 。専門は呼吸器外科・内科・呼吸器リハビリテーション科。現在は「きだ呼吸器・リハビリクリニック」院長。日本外科学会専門医。日本医師会認定産業医。

効果的な禁煙方法の選択肢

禁煙の方法には複数の選択肢があり、個人の依存度や生活状況に応じて適切な方法を選ぶことが成功への鍵となります。

ニコチン代替療法の種類と使用法

ニコチン代替療法(NRT)は、タバコ以外の方法でニコチンを摂取し、離脱症状を緩和しながら徐々にニコチン摂取量を減らしていく方法です。主な製品には、ニコチンパッチ、ニコチンガム、ニコチンロゼンジなどがあります。

ニコチンパッチは皮膚に貼付して使用し、24時間持続的にニコチンを放出します。1日1回の貼り替えで済むため、手軽に使用できます。通常、高用量(21mg)から開始し、数週間ごとに中用量(14mg)、低用量(7mg)へと段階的に減量していきます。総使用期間は8〜12週間程度です。

ニコチンガムは、喫煙欲求が生じたときに噛んで使用します。ゆっくり噛むことで口腔粘膜からニコチンが吸収されます。2mgと4mgの製品があり、依存度に応じて選択します。1日の使用個数を徐々に減らし、通常12週間程度で終了します。

ニコチンロゼンジは口に含んで溶かして使用する錠剤タイプで、ガムと同様に喫煙欲求時に使用します。ガムを噛めない状況でも使用できる利点があります。

NRTの効果は単独使用でも認められますが、パッチとガムなどを併用することで成功率がさらに向上することが報告されています。

薬物療法(バレニクリン・ブプロピオン)

医療機関では、ニコチンを含まない禁煙補助薬も使用されます。
日本で使用できる代表的な薬剤の一つがバレニクリン(商品名:チャンピックス)です。供給が一時停止されていましたが、2025年10月30日より再開され、再び処方が可能となりました。

バレニクリンは、ニコチンが脳に作用する受容体に働きかけ、喫煙による満足感を抑えながら禁断症状や吸いたい気持ちを軽減する効果があります。
このほか、保険適用外の経口薬ブプロピオンも禁煙補助薬として選択されることがあります。

現在は、これらの薬剤に加え、ニコチンパッチやガムなどのニコチン代替療法と組み合わせることで、より効果的に禁煙をサポートすることができます。

まとめ

タバコの影響は身体、精神、社会生活の広範囲に及び、その多くは深刻かつ不可逆的です。しかし、禁煙によって得られる健康改善効果は明確で、禁煙開始から時間経過とともに段階的にリスクが低下します。禁煙が困難に感じられる場合でも、医療機関での専門的なサポートを活用することで成功率は大きく向上します。自身の健康と生活の質の向上のため、禁煙を検討されている方は、呼吸器内科や禁煙外来への相談をおすすめします。

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