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老眼は予防できる?進行を抑える日常ケアと目に良い栄養素・矯正の知識

 公開日:2025/12/15
老眼における生活習慣と予防的アプローチ

老眼を完全に防ぐことはできませんが、日常生活の中で目に優しい習慣を取り入れることで、症状の進行を緩やかにすることができます。適切な作業環境の整備や定期的な休憩、目の体操などが有効です。また、ルテインやゼアキサンチン、ビタミンCやEといった栄養素は、目の老化を遅らせる可能性が示唆されています。バランスの良い食事と適切な矯正を組み合わせることで、総合的な目の健康維持につながります。

柿崎 寛子

監修医師
柿崎 寛子(医師)

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三重大学医学部卒業 / 現在はVISTA medical center shenzhen 勤務 / 専門は眼科

老眼における生活習慣と予防的アプローチ

老眼を完全に防ぐことはできませんが、日常生活の中で目に優しい習慣を取り入れることで、症状の進行を緩やかにし、目の健康を維持することができます。

目の健康を保つための日常習慣

適切な作業環境を整えることは、目の疲労を軽減するうえで重要です。デスク作業をする際には、モニターの位置を目線よりやや下に設定し、画面との距離を50cm以上保つことが推奨されます。また、照明は均一で十分な明るさを確保し、画面の反射を防ぐ工夫も必要です。
定期的な休憩も欠かせません。長時間同じ距離を見続けると、毛様体筋が緊張し続け、疲労が蓄積します。1時間作業をしたら10分程度の休憩を取り、窓の外の景色を眺めるなど、遠くを見る時間を設けることで、目の緊張をほぐすことができます。
目の体操も効果的です。近くと遠くを交互に見る運動や、目を上下左右にゆっくり動かす運動は、目の筋肉をほぐし、血行を促進します。ただし、無理な運動は逆効果になることもあるため、適度な範囲で行うことが大切です。
睡眠も目の健康には不可欠です。十分な睡眠を取ることで、目の疲労が回復し、涙液の分泌も正常に保たれます。寝る前のスマートフォン使用は、睡眠の質を低下させるだけでなく、目にも負担をかけるため、控えることが望ましいです。

栄養と老眼の関係

バランスの取れた食事は、目の健康維持に重要な役割を果たします。特定の栄養素は、目の老化を遅らせる可能性が研究で示唆されています。
ルテインとゼアキサンチンは、黄斑部に多く存在する色素成分で、青色光を吸収し、抗酸化作用を持ちます。これらは緑黄色野菜、特にほうれん草やケールなどに多く含まれています。
ビタミンCやビタミンEも強力な抗酸化作用を持ち、目の細胞を酸化ストレスから守ります。柑橘類やナッツ類、植物油などから摂取できます。
オメガ3脂肪酸は、網膜の健康維持に関わり、ドライアイの改善にも効果があるとされています。青魚や亜麻仁油などに豊富に含まれています。
ただし、これらの栄養素を摂取するだけで老眼が改善するわけではありません。バランスの良い食事は目の健康の基礎となるものであり、適切な矯正と組み合わせることで、総合的な目の健康維持につながります。
サプリメントの使用を検討する場合は、過剰摂取による副作用もあるため、医師や薬剤師に相談することが推奨されます。

まとめ

老眼は加齢に伴う自然な変化ですが、適切な対処によって生活の質を大きく改善できます。コンタクトレンズや眼鏡による矯正、レーシックなどの外科的治療、目薬の使用など、選択肢は多様です。近視や遠視などの屈折異常がある場合は、その影響も考慮した矯正が必要になります。定期的な検診によって、ほかの眼疾患の早期発見にもつながります。
老眼は誰にでも訪れる変化ですが、適切な知識と対処によって、その影響を抑えることができます。目の健康は生活の質に直結するため、日頃から意識的にケアすることが大切です。

この記事の監修医師