「味噌汁」で糖尿病リスクを減らす! 血糖値の急上昇を防ぐ飲み方のポイント【管理栄養士監修】
公開日:2025/11/17

味噌汁の規則的な摂取が生活習慣病の予防にどのように関わるのか、複数の疫学研究から知見が得られています。糖尿病リスクとの関係や循環器疾患予防への貢献について、大豆製品特有の成分や食事パターン全体の影響を含めて研究が進められています。ここでは科学的根拠に基づいた関連性について整理します。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
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帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。
保有免許・資格
管理栄養士資格
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目次 -INDEX-
生活習慣病予防との関連性
味噌汁の規則的な摂取が生活習慣病の予防にどのように関わるかについて、疫学研究から得られた知見を整理します。糖尿病リスクと循環器疾患予防への貢献が研究されています。糖尿病リスクとの関係
大豆製品の摂取と2型糖尿病リスクの関連について、複数の研究が行われています。大豆タンパク質とイソフラボンは、インスリン感受性を改善する可能性が示唆されています。また食物繊維の豊富な具材を使用することで、食後の血糖値上昇が緩やかになり、血糖コントロールが改善される可能性があります。 味噌汁を食事の最初に摂ることは、血糖値の急上昇を防ぐ効果も期待できます。汁物によって胃の内容物が希釈され、糖質の吸収速度が緩やかになります。また温かい汁物は満足感を高め、その後の炭水化物の摂取量を自然に減らす効果もあります。 ただし味噌汁だけで糖尿病が予防できるわけではありません。全体の食事パターン、特に精製糖質の摂取量、野菜の摂取量、運動習慣、体重管理といった複数の要因が総合的に作用します。味噌汁は健康的な食生活の一要素として位置づけるべきです。循環器疾患予防への貢献
大豆イソフラボンの摂取と循環器疾患リスクの関連について、日本を含む複数の国で疫学調査が実施されています。イソフラボンは血中コレステロール値を改善し、動脈硬化の進行を遅らせる可能性が報告されています。特にLDLコレステロールの酸化を抑制する抗酸化作用が注目されています。 血管内皮機能の維持も循環器疾患予防の重要な要素です。味噌に含まれる機能性成分が血管の柔軟性を保ち、血流を改善する可能性があります。また適度な塩分と十分な水分の摂取は、血液の粘度を適切に保ち、血栓形成のリスクを低減する可能性もあります。 魚介類を具材にすることで、EPA・DHAといったオメガ3系脂肪酸も同時に摂取できます。これらの脂肪酸は抗炎症作用と抗血栓作用を持ち、心筋梗塞や脳卒中のリスク低減に寄与することが多くの研究で確認されています。まとめ
味噌汁は日本の伝統的な食文化の中で受け継がれてきた栄養価の高い食品であり、適切に摂取することで多様な健康効果が期待されます。発酵によって生成される機能性成分、バランスの良いアミノ酸組成、具材による栄養素の補完は、現代の栄養学の観点からも評価される要素です。一方で塩分濃度への配慮や特定の疾患を持つ方の制限事項を理解し、個々の健康状態に応じた適切な摂取方法を選択することが重要です。気になる症状がある場合や持病がある場合は、かかりつけ医や管理栄養士に相談し、ご自身に適した食事パターンを確立してください。参考文献




