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ヨーグルトの脂肪分は太る?体脂肪になりにくい乳脂肪の特徴と全脂肪・低脂肪の賢い選び方

 公開日:2025/12/08
ヨーグルトの脂質含有量と種類

ヨーグルトに含まれる脂質は、主に原料乳由来の乳脂肪で構成されています。全脂肪タイプでは100gあたり約3〜4gの脂質が含まれており、そのうち約60〜70%が飽和脂肪酸です。乳脂肪に含まれる短鎖・中鎖脂肪酸は、エネルギーとして利用されやすく、体脂肪として蓄積しにくい特性を持っています。本章では、脂質の種類と健康への影響、食感や風味との関係、機能性ヨーグルトの活用方法について詳しく解説します。

武井 香七

監修管理栄養士
武井 香七(管理栄養士)

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帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。

保有免許・資格
管理栄養士資格

ヨーグルトの脂質含有量と種類

ヨーグルトに含まれる脂質は、主に原料乳由来の乳脂肪です。全脂肪タイプのヨーグルトでは100gあたり約3〜4gの脂質が含まれており、このうち約60〜70%が飽和脂肪酸、残りが不飽和脂肪酸で構成されています。

飽和脂肪酸は、過剰摂取により血中LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)を増加させる可能性が指摘されています。しかし、乳脂肪に含まれる短鎖・中鎖脂肪酸は、エネルギーとして利用されやすく、体脂肪として蓄積しにくい特性を持ちます。また、乳脂肪には脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、Eなど)が含まれており、これらの吸収を助ける役割もあります。

低脂肪ヨーグルトや無脂肪ヨーグルトは、脂質含有量が100gあたり1g以下または0gに抑えられています。脂質制限が必要な方や、カロリーを抑えたい方にとっては有効な選択肢です。ただし、脂質が減ることで満足感が得られにくくなる場合があり、結果として摂取量が増えてしまう可能性もあります。

脂質の種類と健康への影響

脂質は種類によって健康への影響が異なります。ヨーグルトに含まれる乳脂肪の約70%を占める飽和脂肪酸は、適量であれば問題ありませんが、過剰摂取は心血管疾患のリスク因子となる可能性があります。

一方で、ヨーグルトには共役リノール酸(CLA)という成分も微量ながら含まれています。CLAは体脂肪の蓄積抑制や抗酸化作用など、健康に好ましい効果が報告されている不飽和脂肪酸です。また、乳脂肪に含まれるスフィンゴ脂質には、腸管での脂質吸収を調整する働きがあることも示唆されています。

脂質量と食感・風味の関係

ヨーグルトの食感や風味には、脂質が重要な役割を果たしています。全脂肪タイプはクリーミーでコクがあり、口当たりが滑らかです。脂質は味覚成分を溶かし込み、風味を保持する働きがあるため、満足感の高い味わいとなります。

低脂肪タイプや無脂肪タイプは、さっぱりとした軽い食感が特徴ですが、コクや濃厚さは減少します。製品によっては、増粘剤や安定剤を添加して食感を調整している場合もあります。脂質含有量と味わいのバランスを考慮し、継続的に摂取しやすい製品を選ぶことが、長期的な健康習慣の維持につながります。

オメガ3脂肪酸強化ヨーグルトの活用

近年、オメガ3脂肪酸(EPA、DHAなど)を添加したヨーグルト製品も市場に登場しています。オメガ3脂肪酸は、抗炎症作用や心血管保護作用が期待される不飽和脂肪酸で、青魚に多く含まれています。

これらの機能性ヨーグルトは、魚の摂取が少ない方や、オメガ3脂肪酸を効率的に補いたい方にとって有用な選択肢です。ただし、添加量や吸収率には製品による差があるため、栄養成分表示を確認し、必要に応じて他の食品と組み合わせることが推奨されます。

トランス脂肪酸への注意

乳製品には天然由来のトランス脂肪酸が微量含まれていますが、健康への悪影響が指摘される工業的に生成されたトランス脂肪酸とは性質が異なります。プレーンヨーグルトであれば、トランス脂肪酸の含有量は極めて少なく、健康上の懸念は小さいといえます。

ただし、一部の加工ヨーグルト製品には、部分水素添加油脂を含むトッピングや添加物が使用されている場合があります。原材料表示を確認し、不要なトランス脂肪酸の摂取を避けることが望ましいです。

まとめ

ヨーグルトは、適切に選択し摂取することで、腸内環境の改善、栄養補給、体重管理、血糖コントロールなど、多方面から健康をサポートする食品です。一方で、製品によってカロリー、糖質、脂質の含有量は大きく異なるため、自身の健康状態や目的に応じた選択が重要です。プレーンヨーグルトを基本とし、1日100〜200g程度を目安に、バランスの取れた食事の一部として取り入れることで、長期的な健康維持に貢献します。ダイエットや糖尿病管理など、特定の目的がある場合は、医師や管理栄養士と相談しながら、適切な摂取方法を検討することが推奨されます。

この記事の監修管理栄養士