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緑内障の早期発見には定期検診が必須!40歳からの検査と日常で気づく小さなサイン

 公開日:2025/12/06
緑内障の初期症状を見逃さないために

初期症状が乏しい緑内障を早期に発見するためには、定期的な眼科検診が欠かせません。専門的な検査によって自覚症状が出る前の段階で発見できれば、治療を早く始めることができます。ここでは、定期検診の重要性と、日常生活で気づく可能性のあるサインについて詳しくお伝えします。

柿崎 寛子

監修医師
柿崎 寛子(医師)

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三重大学医学部卒業 / 現在はVISTA medical center shenzhen 勤務 / 専門は眼科

緑内障の初期症状を見逃さないために

初期症状が乏しい緑内障を早期に発見するためには、定期的な眼科検診が欠かせません。特に40歳を過ぎたら、症状がなくても年に1回は眼科で検査を受けることが推奨されます。

定期的な眼科検診の重要性

緑内障の早期発見には、眼圧測定、眼底検査、視野検査といった専門的な検査が必要です。眼圧は眼科で簡単に測定でき、緑内障のリスク評価に役立ちますが、正常眼圧緑内障も多いため、眼圧だけでは判断できません。眼底検査では視神経乳頭の状態を観察し、視神経の陥凹(へこみ)が拡大していないかを確認します。視野検査では、視野のどの部分がどの程度欠けているかを詳細に調べることができます。 これらの検査を組み合わせることで、自覚症状が出る前の段階で緑内障を発見し、治療を始めることが可能になります。早期に治療を開始すれば、視野欠損の進行を抑え、生涯にわたって良好な視機能を維持できる可能性が高まります。 健康診断や人間ドックに眼科検診が含まれている場合もありますが、簡易的な検査にとどまることもあるため、詳しい検査を希望する場合は眼科専門医を受診することをおすすめします。特に家族に緑内障の方がいる、強度近視がある、ステロイド薬を長期使用しているといったリスク要因がある方は、より慎重な経過観察が必要です。

日常生活で気づくサイン

緑内障の初期症状は自覚しにくいものの、日常生活の中で以下のような変化に気づいた場合は、早めに眼科を受診することが大切です。見える範囲が狭くなったように感じる、階段の段差がわかりにくい、歩いているときに人や物にぶつかりやすくなった、文章を読むときに行を飛ばしてしまう、車の運転で標識や歩行者の発見が遅れるなどです。 これらの症状は、視野の周辺部が欠けていることで生じる可能性があります。また、片眼ずつ見たときに見え方に違和感がある場合も要注意です。片眼を隠して物を見る習慣をつけると、左右の視野の違いに気づきやすくなります。 明るい場所から暗い場所に移動したときに見えにくさが強くなる、夜間の視力が低下したと感じるといった変化も、緑内障の進行に関連している場合があります。こうした変化は加齢による自然な変化と混同されやすいため、少しでも気になる症状があれば、自己判断せずに眼科で相談することが重要です。

まとめ

緑内障は初期症状に乏しく、進行すると視野が失われる疾患ですが、早期発見と適切な治療により、生涯にわたって良好な視機能を維持することは十分に可能です。40歳を過ぎたら定期的な眼科検診を受け、リスク要因がある方は特に注意深く経過を観察してください。治療の継続が進行を抑える鍵であり、点眼薬や手術によって眼圧をコントロールすることで失明を防ぐことができます。緑内障は「治らない」疾患ですが、「進行を止められる」疾患です。不安や疑問があれば、眼科専門医に相談し、納得のいく治療を選択してください。

この記事の監修医師