「顔に梅毒の症状」が現れたときの対処法はご存知ですか?【医師監修】

梅毒は性器の病気というイメージがありますが、実は顔にもさまざまな症状が現れることがあります。ニキビや皮膚トラブルと見分けがつきにくく、放っておくと重い症状につながるおそれがあります。
この記事では、顔に梅毒の症状が現れたときの対処法を解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「梅毒」を発症すると「顔」にどんな症状が現れるかご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
林 良典(医師)
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科
目次 -INDEX-
顔に梅毒の症状が現れたときの対処法

顔に梅毒の症状が現れたらどうすればよいですか?
例えば、口唇や口角にできる初期硬結は、見た目が口内炎や単純ヘルペスウイルス感染症とも似ており、自己判断では区別がつきにくい場合があります。また、第2期梅毒でみられる発疹もアレルギー性皮膚炎や、麻疹、風疹などのウイルス性皮膚炎などと間違われることもあります。
顔にしこりや発疹などの異常がみられたときは、皮膚科や産婦人科、感染症内科を受診するとよいでしょう。
参照:『梅毒診療ガイド(第1版)』(一般社団法人日本性感染症学会)
病院での梅毒の検査方法と診断基準を教えてください
梅毒の診断では、下記の2種類の抗体検査を組み合わせて行います。
- 非トレポネーマ脂質抗体(RPR/STS)
- トレポネーマ抗体(TP)
まず、定性検査で抗体の有無を調べます。非トレポネーマ脂質抗原とトレポネーマ抗体のどちらかが陽性の場合は、抗体の量を詳しく調べる定量検査を追加で行います。
感染から1ヶ月以内ではいずれの検査でも陰性になる可能性があります。疑わしい症状や性行動歴がある場合には、数週間後に再検査し、診断を確定します。
参照:
『梅毒診療ガイド(第1版)』(一般社団法人日本性感染症学会)
『梅毒診療ガイド(第2版)』(一般社団法人日本性感染症学会)
梅毒は病院でどのように治療しますか?
ペニシリンアレルギーがある患者さんには、テトラサイクリン系やマクロライド系抗菌薬が代替として処方されます。
梅毒は、早期の適切な治療により完治が可能な病気です。治療中は定期的に血液検査を行い、治療の効果を確認します。症状が改善しても服薬や通院は途中で辞めず、医師が治癒と判断するまで治療を継続しましょう。
また、再感染を防ぐため、パートナーとの同時治療が必要です。
参照:
『梅毒診療ガイド(第1版)』(一般社団法人日本性感染症学会)
『梅毒診療ガイド(第2版)』(一般社団法人日本性感染症学会)
顔に生じた梅毒の発疹を治療する方法を教えてください
梅毒による顔の発疹は、自己判断で市販の軟膏を塗っても症状が改善しません。梅毒は、抗菌薬の適切な投与によってのみ治癒します。顔に発疹が現れたときは、まず医療機関に相談しましょう。
参照:『梅毒(詳細版)』(国立健康危機管理研究機構)
編集部まとめ

梅毒は、性器だけでなく顔にも症状が出る場合があります。初期には痛みがなく、見逃しやすいのが特徴です。症状が消えても治癒するわけではなく、治療せずに放置すると、重篤な症状に進行することがあります。
顔に疑わしい症状が出た場合には、早めに医療機関を受診しましょう。治療が完了するまでは性的な接触を控え、パートナーと一緒に治療を受けることが大切です。
参考文献