「糖尿病の治療法」はご存知ですか?進行した場合の治療法も解説!【医師監修】
公開日:2026/03/19

糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの作用不足によって慢性の高血糖が続く代謝疾患群と定義され、放置すると合併症を引き起こし、生活の質の低下や寿命の短縮につながる可能性があります。そのため、適切な診断と継続的な治療が重要です。

監修医師:
上田 莉子(医師)
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関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医
糖尿病の治療法

病院では初期の糖尿病に対してどのような治療を行いますか?
病院での初期の糖尿病治療は、まず食事・運動療法を基本とします。適切なエネルギー摂取量と栄養バランスを整えた食事療法、そしてインスリン抵抗性の改善やエネルギー消費量の増加を目指す運動療法が含まれ、血糖マネジメントに不可欠です。
2~3ヶ月間、十分な食事・運動療法を行っても目標とする血糖コントロールが得られない場合、薬物療法の開始が検討されます。
2~3ヶ月間、十分な食事・運動療法を行っても目標とする血糖コントロールが得られない場合、薬物療法の開始が検討されます。
糖尿病の薬物治療が内服薬で始められるか、早期からインスリンの注射製剤を用いることになるかは、高血糖の程度や尿検査の結果により決定されます。
著明な高血糖や、尿検査でケトーシスという異常を伴う場合は、生活習慣の改善を待たずにインスリン療法の早期導入が検討されることもあります。
薬物療法を開始する際は、急激な血糖降下を避けるため、単剤から開始し、緩やかな血糖改善を目指すのが一般的です。
進行した糖尿病の治療法を教えてください
インスリン分泌能力が枯渇傾向になった糖尿病においては、インスリンの注射と内服薬の服用を組み合わせた薬物療法が治療の中心となります。具体的には、毎食前に打つ短期間作用型のインスリンと、1日1回か週1回打つ作用時間が長いインスリンを中心に、場合によっては内服薬も組み合わせて行う治療です。
糖尿病合併症はどのように治療しますか?
糖尿病合併症は、全身の血管が高血糖の持続で傷つくことで、今は症状がなくても、数年後、数十年後に発症にいたってしまうことが特徴です。
ここで注意したいのが、血糖値のみを治療することでは、糖尿病合併症の予防は不完全です。高血圧や脂質異常症、喫煙習慣でも、血管は傷ついてしまうからです。このため、糖尿病合併症の治療は、血糖・血圧・脂質代謝の管理を中心に行われます。
ここで注意したいのが、血糖値のみを治療することでは、糖尿病合併症の予防は不完全です。高血圧や脂質異常症、喫煙習慣でも、血管は傷ついてしまうからです。このため、糖尿病合併症の治療は、血糖・血圧・脂質代謝の管理を中心に行われます。
編集部まとめ

糖尿病はインスリンの作用不足に基づく慢性の高血糖を主徴とする代謝疾患群です。現在の医学では完治は難しいものの、適切な治療によってQOLを維持し、合併症を予防・管理することで、糖尿病ではない方と変わらない寿命を確保することを目指します。
治療の基盤は、年齢や病態に合わせた食事療法と運動療法による生活習慣の改善です。それでも血糖コントロールが不十分な場合には、個々の病態や合併症、生活スタイルに合わせた薬物療法が選択されます。
また、食事や運動は薬物療法との関連性を考慮し、偏った食事や自己判断による極端な制限、特定の薬剤服用中の過度な運動は低血糖を招くおそれがあるため、主治医に相談しながら進めましょう。
参考文献
- 日本糖尿病学会(編・著):糖尿病治療ガイド 2024,文光堂,2024
- 一般社団法人日本糖尿病学会『健康食スタートブック』