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「糖尿病」を治療しないとどうなる?糖尿病治療の目的も解説!【医師監修】

 公開日:2026/03/18
糖尿病における治療の位置付け

糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの作用不足によって慢性の高血糖が続く代謝疾患群と定義され、放置すると合併症を引き起こし、生活の質の低下や寿命の短縮につながる可能性があります。そのため、適切な診断と継続的な治療が重要です。

上田 莉子

監修医師
上田 莉子(医師)

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関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医

糖尿病における治療の位置付け

糖尿病における治療の位置付け

糖尿病は病院で治療すれば完治しますか?

いいえ、糖尿病は一度発症すると決して完治はしません。しかし、高血糖の持続により引き起こされる糖尿病合併症の発症や進行を抑えるため、通院での継続的な治療が必要です。

糖尿病治療の目的を教えてください

糖尿病治療の最終的な目標は、糖尿病ではない方と変わらない日常生活の質の維持と寿命の確保です。これを達成するために、以下のような具体的な目標が掲げられます。

  • 血糖値、血圧、脂質代謝を良好な状態にコントロールする
  • 適正体重を維持し、禁煙を遵守する
  • 糖尿病に特有な細小血管合併症(網膜症、腎症、神経障害)や、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患(大血管合併症)の発症・進展を阻止する

血糖コントロールの具体的な目標値は、合併症予防の観点からHbA1c 7.0%未満、空腹時血糖130mg/dL未満、食後2時間血糖180mg/dL未満が掲げられることが多いです。しかし、低血糖のリスク、糖尿病の罹病期間、平均余命、血管合併症の進展などを考慮し、個々の患者さんに合わせて目標を設定することが重要とされています。特に高齢の方や治療による有害事象が有益性を上回る場合は、HbA1c 8.0%程度という緩やかな目標が設定されることもあります。

糖尿病を治療しないとどうなりますか?

糖尿病を治療しない場合、高血糖状態が持続することで、インスリンを分泌する細胞の機能低下や、インスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性の悪化が進み、病態が進行します。また、糖尿病の合併症が進行し、目や腎臓、神経、血管などさまざまな部位に影響が現れます。

編集部まとめ

編集部まとめ

糖尿病はインスリンの作用不足に基づく慢性の高血糖を主徴とする代謝疾患群です。現在の医学では完治は難しいものの、適切な治療によってQOLを維持し、合併症を予防・管理することで、糖尿病ではない方と変わらない寿命を確保することを目指します。
治療の基盤は、年齢や病態に合わせた食事療法と運動療法による生活習慣の改善です。それでも血糖コントロールが不十分な場合には、個々の病態や合併症、生活スタイルに合わせた薬物療法が選択されます。
また、食事や運動は薬物療法との関連性を考慮し、偏った食事や自己判断による極端な制限、特定の薬剤服用中の過度な運動は低血糖を招くおそれがあるため、主治医に相談しながら進めましょう。

参考文献

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