「適応障害になりやすい人」の特徴はご存知ですか?サインとなる症状も解説!
適応障害は、日常生活のなかで何らかのストレスが原因となり、心身のバランスが崩れて社会生活に支障が生じて起こります。
適応障害になりやすい人の特徴はあるのでしょうか。また、どのような症状が出てどのように診断され治療していくのでしょうか。
この記事では適応障害について詳しく解説していきます。
※この記事はMedical DOCにて『「適応障害になりやすい人」の特徴はご存知ですか?サインとなる症状も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
目次 -INDEX-
適応障害になりやすい人の特徴や症状
適応障害になりやすい人の特徴を教えてください。
- 完璧主義
- 真面目で責任感が強い人
- 気持ちの切り替えが苦手な人
- 人間関係を築くのが苦手な人
完璧主義の人は、仕事や日常生活で何事も完璧に成し遂げたいといった考えがあります。他者からはとても頼りがいのある人に感じますが、その信念から仕事や行動に対して強い執着を持ってしまいがちです。目的達成のために無理をする傾向があり、自分の体調や感じているストレスを軽視してしまいます。責任感が強く真面目な人も、適応障害になりやすい人の代表例といえるでしょう。人一倍責任を感じやすいため、つい過重労働をしてしまったりストレスを溜め込みやすかったりする傾向があります。他者に頼れない性格によりストレスを溜め込みやすく、あるときに許容量を超えてしまうことがあります。また、気持ちの切り替えが苦手な人は、仕事のミスをいつまでも引きずり必要以上に自分を責めることがあり、ストレスを溜め込みやすい傾向にあります。ストレスの発散方法がないことやストレス問題が解決しないことにより、当然適応障害の発症率は高くなる傾向があるでしょう。人間関係の構築が苦手な人は、仕事で必要な接客や上司や同僚・部下とのコミュニケーションや関係性その物が大きなストレスになってしまいます。他人の顔色・言動・視線・行動の一つひとつに不安を覚え、日々さまざまな場面でのストレスが蓄積し、やがて限界を迎えることで適応障害が発症する引き金となります。
適応障害のサインにはどのようなものがありますか?
- 身体がだるい
- 眠れない
- 頭痛
- 動悸やめまいがする
- 消化器症状(食欲不振・ストレス性胃炎・腹痛など)
- 意欲や集中力の低下・注意力散漫
- 不安・絶望・イライラを感じるようになる
- 涙もろくなる、興味・喜びを感じなくなる
- マイナス思考や自責的な考え方が増える
適応障害は、ストレス要因から離れると症状が改善することが少なくありません。例えば仕事上の問題がストレス要因となっている場合、勤務日は上記の症状が出ますが、休みの日には少し楽になったり趣味を楽しむことができたりする場合もあります。
適応障害の症状を教えてください。
- 抑うつ
- 不安感や焦り
- 怒り
- 緊張
身体的な症状としては、以下が挙げられます。
- 不眠
- 頭痛
- 倦怠感
- 食欲不振
- 暴飲暴食
- 手の震え
- めまい
- 汗
- 吐き気
このほかにもさまざまな身体的症状を引き起こすのが適応障害です。
適応障害が仕事に与える影響にはどのようなものがありますか?
- ミスが増える
- 業務に消極的になる
- 欠勤や早退が増える
- 涙もろくなる
- 急に怒りやすくなる
自信の喪失や不安感・焦りなどによって注意力が欠如し、今までしなかったようなミスを連発してしまい、さらに気分が落ち込むといったこともあります。また緊張により、以前に比べ、仕事に消極的になる(職場の電話に出なくなる・進んで行っていた業務を避けるようになる)こともあるでしょう。
編集部まとめ
今回は、適応障害になりやすい人の特徴・症状・診断・治療方法を解説しました。
適応障害はストレスの許容量に限界を迎えることが原因となります。つまり、ストレスに強い人・弱い人どちらも発症する可能性があります。
頑張っているときこそ、自分の身体やこころをケアしてあげることを心がけてください。
適応障害は誰にでも起こりえる精神疾患です。社会全体で疾患に対する理解を深める活動を行う・療養しやすい環境を作り上げることが今後の課題となってくるでしょう。
症状が出現した際には、医師やカウンセラーへの相談・仕事の調整や休養を進めることが必要です。今後の社会ないし個人それぞれでの理解や取り組みが重要となります。
参考文献