「レプトスピラ症」の対処法はご存知ですか?予防ワクチンや抗菌薬はある?
公開日:2025/01/10
レプトスピラ症といわれてもどのような病気か見当がつかない方も多いでしょう。しかしこの病気は実のところ、日本国内でも確認されている症状でもあります。
今回は意外と身近にみられるレプトスピラ症について、感染経路や対処法などをまとめながら紹介していきます。
行楽シーズンや海外旅行で海外に赴く前にはこの記事を一読していただけると、いざという時のための行動がしやすくなるのではないでしょうか。
ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
※この記事はMedical DOCにて『「レプトスピラ症」という感染症はご存じですか?感染経路や症状について解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
レプトスピラ症の対処法
レプトスピラ症の対処法を教えてください。
東南アジアなどではレプトスピラ症の流行は多雨期から収穫期(7月から10月)に集中することが確認されています。感染しないために大切なことは、流行地域で不要な水の出入りはしないこと(特に洪水後)と、どうしても浸からないといけない場合はゴムの長靴や手袋を着用することです。
治療薬としてドキシサイクリンと呼ばれる抗菌薬の内服も予防効果が見込めますが、長期間の服用は耐性菌を生成する可能性が出てくるので治療が終わったら内服をやめましょう。
治療薬としてドキシサイクリンと呼ばれる抗菌薬の内服も予防効果が見込めますが、長期間の服用は耐性菌を生成する可能性が出てくるので治療が終わったら内服をやめましょう。
予防ワクチンや抗菌薬はあるのでしょうか?
人に有効なワクチンとしては4つの血清型の不活性化全菌体ワクチンが製造されていました。しかしレプトスピラ症に対する免疫は血清型によるところがあり、それに加えてワクチンに含まれていない血清型の感染に対する予防の効果はわからないため、現在は作られていません。
そのため、ドキシサイクリンのような抗菌薬を投与しての治療が主流です。
そのため、ドキシサイクリンのような抗菌薬を投与しての治療が主流です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
レプトスピラ症は適切な治療を施せるうえに回復できる症状でもあるので、必要以上に恐れないことも大切といえるでしょう。現在日本において、レプトスピラ症は日本脳炎やA型肺炎に並ぶ4類感染症とされているので、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届出を出さないといけない決まりとなっています。
またレプトスピラ症に罹患していても無症状の患者さんもまれに見掛けます。症状が顕在していなくとも保菌している可能性はあるので、同じように届出をすることが必要です。周りで海外旅行に行ってレプトスピラ症に感染した人がおり、かつ症状は出ていないけれど気になる方は保健所に相談することも賢明といえるでしょう。
またレプトスピラ症に罹患していても無症状の患者さんもまれに見掛けます。症状が顕在していなくとも保菌している可能性はあるので、同じように届出をすることが必要です。周りで海外旅行に行ってレプトスピラ症に感染した人がおり、かつ症状は出ていないけれど気になる方は保健所に相談することも賢明といえるでしょう。
編集部まとめ
ここまでレプトスピラ症について紹介してきました。
諸症状も風邪に類似しているため、一見風邪かと勘違いしてしまいそうです。
しかし深刻化すると命に危険が及ぶことも十分にあり得ますので、体調の変化にはくれぐれも注意しましょう。
海外で汚染されている水や土に触れるとかかるものかと思われがちですが、実は日本でも感染が確認されています。
日本では、洪水などの自然災害の後は水にそのまま入らないこと・入るときはゴム手袋などの対策を取ることが予防の条件といえます。
該当地域から帰国した場合で特徴的な症状が現れてきたら、一度保健所や医師の診察を受けましょう。