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「レプトスピラ症」の潜伏期間はどれくらいかご存知ですか?診断方法や治療法も解説!

 公開日:2025/01/09

レプトスピラ症といわれてもどのような病気か見当がつかない方も多いでしょう。しかしこの病気は実のところ、日本国内でも確認されている症状でもあります。

今回は意外と身近にみられるレプトスピラ症について、感染経路や対処法などをまとめながら紹介していきます。

行楽シーズンや海外旅行で海外に赴く前にはこの記事を一読していただけると、いざという時のための行動がしやすくなるのではないでしょうか。

ぜひ参考にしていただけたら幸いです。

※この記事はMedical DOCにて『「レプトスピラ症」という感染症はご存じですか?感染経路や症状について解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

レプトスピラ症の診断と治療

専門書を読む医師

レプトスピラ症はどのように診断されますか?

血液・髄液・尿を用いての分離培養を行いますが、こちらの検査を行う前に専用の培地を必要とします。検査は血液・髄液・尿を用いたレプトスピラ遺伝子の検出と顕微鏡下凝集試験法のペア血清を用いた抗体の検出が診断材料の方法です。
手法としては、まずレプトスピラ菌の分離を試みます。分離の培養には抗菌薬投与前の発熱していた時期の血液を使用し、採血後レプトスピラ培養培地に加えて30℃で数日から1ヶ月静置します。レプトスピラ菌は、顕微鏡を使うとひも状らせん型の回転する菌体として確認が可能です。
次に血清診断法を行います。顕微鏡下凝集試験法による、ペア血清(急性期と回復期の2点の血清を測定し抗体値が陽転か有意上昇するかで診断する方法)を用いたレプトスピラ菌の血清型の特異的な抗体の検出が確定診断には重要なポイントです。
ちなみに陽性とされるのはペア血清にて4倍以上の抗体価上昇が確認できた場合となります。またレプトスピラ菌は地域によって流行している血清型に違いがみられ、その数およそ230以上と決して少ないとはいえません。その中で、血清型を見極めるためのスクリーニング方法にはマイクロカプセル凝集法などの方法がとられます。
最後にレプトスピラ遺伝子のPCR検査による検出で、レプトスピラの16SrRNA遺伝子や構成成分の一つのflaB遺伝子などが検出されるとレプトスピラ菌に感染しているとの診断ができるのです。

潜伏期間を教えてください。

通常であれば、疑わしい症状が出るまで平均して5日から2週間程度(まれに〜3週間)かかります。感染していたら角膜充血や腓腹筋の痛みなどの特徴的な症状が出てくると思われますが、そのほかにも発熱等が確認でき、渡航地域も該当するのであれば保健所に直接連絡を入れるようにしましょう。

治療方法を教えてください。

抗菌薬の投与が治療の主体です。一般的にドキシサイクリンの内服、重症だとペニシリン系の静脈注射が行なわれます。しかしペニシリンを用いる際に、抗菌薬を投与したことによってレプトスピラ症菌体が破壊されて起こる発熱・倦怠感・低血圧・熱によるショック症状が確認される場合が出てくるでしょう。
これらはペニシリン投与の後、数時間で反応がみられ通常24時間で軽快します。

編集部まとめ

女性医師
ここまでレプトスピラ症について紹介してきました。

諸症状も風邪に類似しているため、一見風邪かと勘違いしてしまいそうです。

しかし深刻化すると命に危険が及ぶことも十分にあり得ますので、体調の変化にはくれぐれも注意しましょう。

海外で汚染されている水や土に触れるとかかるものかと思われがちですが、実は日本でも感染が確認されています。

日本では、洪水などの自然災害の後は水にそのまま入らないこと・入るときはゴム手袋などの対策を取ることが予防の条件といえます。

該当地域から帰国した場合で特徴的な症状が現れてきたら、一度保健所や医師の診察を受けましょう。

この記事の監修医師