「レプトスピラ症」という感染症はご存じですか?感染経路や症状について解説!
公開日:2025/01/09
レプトスピラ症といわれてもどのような病気か見当がつかない方も多いでしょう。しかしこの病気は実のところ、日本国内でも確認されている症状でもあります。
今回は意外と身近にみられるレプトスピラ症について、感染経路や対処法などをまとめながら紹介していきます。
行楽シーズンや海外旅行で海外に赴く前にはこの記事を一読していただけると、いざという時のための行動がしやすくなるのではないでしょうか。
ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
※この記事はMedical DOCにて『「レプトスピラ症」という感染症はご存じですか?感染経路や症状について解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
レプトスピラ症の症状と感染経路
レプトスピラ症の症状を教えてください。
レプトスピラ症にかかると、風邪をひいたかのような軽症型のものから黄疸・出血・腎障害などを引き起こす重症型(ワイル病)まで様々な症状が起こります。初期症状では38℃台の高熱・悪寒・結膜充血などがあり、特に腓腹筋(ヒラメ筋の外側にある筋肉)の痛みが特徴的です。
症状は3〜14日の無症状の潜伏期間経過後に顕在するようになり、発熱・悪寒・各箇所の痛み・結膜の充血が生じ、重症化すると黄疸・出血・腎障害が現れるようになります。これらは4〜6日経つと次第に強く出現するでしょう。
出血箇所については、皮膚の下や鼻血のようなものから肺出血に至るまで広範囲にわたります。重症型については適切な治療がされなかった場合の致死率は2〜3割程度です。軽症で済んだ方の予後は良好ですので、該当する症状があれば医師の適切な治療を受けましょう。
初期のレプトスピラ症は、症状が風邪とよく似ているので初見だと見逃されやすいことが多いです。風邪だからと自己判断で市販の感冒症状に使われる内服薬を使うのではなく、症状が出ている状態であれば受診する必要がありますので、まずは最寄りの保健所に相談しましょう。
症状は3〜14日の無症状の潜伏期間経過後に顕在するようになり、発熱・悪寒・各箇所の痛み・結膜の充血が生じ、重症化すると黄疸・出血・腎障害が現れるようになります。これらは4〜6日経つと次第に強く出現するでしょう。
出血箇所については、皮膚の下や鼻血のようなものから肺出血に至るまで広範囲にわたります。重症型については適切な治療がされなかった場合の致死率は2〜3割程度です。軽症で済んだ方の予後は良好ですので、該当する症状があれば医師の適切な治療を受けましょう。
初期のレプトスピラ症は、症状が風邪とよく似ているので初見だと見逃されやすいことが多いです。風邪だからと自己判断で市販の感冒症状に使われる内服薬を使うのではなく、症状が出ている状態であれば受診する必要がありますので、まずは最寄りの保健所に相談しましょう。
感染経路を教えてください。
主な感染経路としては、レプトスピラ菌を保菌しているネズミ・犬・馬・家畜類などの哺乳類の尿が排泄された後、それが流れ着いた下水・河川・土壌に付着し数週間にわたり水や土が汚染されます。そしてその感染している水や土に触れること(経皮感染)でレプトスピラ症に感染するのです。
また稀に汚染された飲食物から経口摂取により感染したり、さらに珍しいことですが尿を介して人から人へ感染したりするケースもみられます。
また稀に汚染された飲食物から経口摂取により感染したり、さらに珍しいことですが尿を介して人から人へ感染したりするケースもみられます。
どの地域で流行していますか?
レプトスピラ症は世界で発生しており推定感染国はブラジル・ニカラグアなどの南米や、インドネシア・タイ・マレーシアなどのアジアまで、広い視野でみると熱帯・亜熱帯地域で多くみられます。
しかし日本でもレプトスピラ菌の感染は、2016年までに30都府県で症例が上がっており、現在でも沖縄で散発的な発生が確認されあまり珍しい感染症とはいえません。このことから病原体は国内にも広く分布しているものと思われます。
しかし日本でもレプトスピラ菌の感染は、2016年までに30都府県で症例が上がっており、現在でも沖縄で散発的な発生が確認されあまり珍しい感染症とはいえません。このことから病原体は国内にも広く分布しているものと思われます。
レプトスピラ症の発生状況を教えてください。
レプトスピラ症にかかる理由としては、保菌動物の尿に汚染された水と土に触れることと、流行している地域へ旅行したこととされます。そのほかにも農作業でのネズミとの接触により感染したとの報告も多いです。
国内で罹患する場合は、大雨や洪水後の特に汚染水が溜まる環境でネズミに遭う機会が増加し、罹患する傾向にあります。国内でも度々レプトスピラ症が起こる背景にはこのような自然災害によるところがあるといえるでしょう。
もし大雨や洪水を体験するようなことがあれば、よりレプトスピラ症のような感染症に注意すべきです。
国内で罹患する場合は、大雨や洪水後の特に汚染水が溜まる環境でネズミに遭う機会が増加し、罹患する傾向にあります。国内でも度々レプトスピラ症が起こる背景にはこのような自然災害によるところがあるといえるでしょう。
もし大雨や洪水を体験するようなことがあれば、よりレプトスピラ症のような感染症に注意すべきです。
編集部まとめ
ここまでレプトスピラ症について紹介してきました。
諸症状も風邪に類似しているため、一見風邪かと勘違いしてしまいそうです。
しかし深刻化すると命に危険が及ぶことも十分にあり得ますので、体調の変化にはくれぐれも注意しましょう。
海外で汚染されている水や土に触れるとかかるものかと思われがちですが、実は日本でも感染が確認されています。
日本では、洪水などの自然災害の後は水にそのまま入らないこと・入るときはゴム手袋などの対策を取ることが予防の条件といえます。
該当地域から帰国した場合で特徴的な症状が現れてきたら、一度保健所や医師の診察を受けましょう。