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「解離性障害」の診断方法や治療法はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/02/01

解離性障害は、意識や記憶などに関して感覚をまとめる能力が一時的または持続的に損なわれることで、個人の意識・アイデンティティ・記憶・感情・知覚・身体感覚などが分離されてしまう精神障害のひとつです。

解離性障害では、特定の場面の記憶が抜け落ちてしまったり、感情の起伏が激しいときに過去の感情がよみがってきたりといった症状がおきます。これらは、普段の生活に影響を与えますので、早めに正しい対処をしたいと考える人も多いことでしょう。

ここでは、解離性障害はどのように診断・治療を行うかについて説明します。

※この記事はMedical DOCにて『「解離性障害」の症状や原因はご存じですか?周囲の人の接し方についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 有毅

監修医師
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)

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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医

解離性障害(かいりせいしょうがい)の診断や治療

カウンセリング

解離性障害はどのように診断されますか?

解離性障害においては、自分が解離症状があるということに気づかない方が多く、他の心身症状を抱えていることも少なくありません。そのため、解離性障害を確定診断することが難しい場合も多いです。
また、心的外傷後のストレス障害・うつ病・境界性パーソナリティ障害・摂食障害・アルコールや薬物依存症などの精神疾患を合併していることもあり、判断は極めて難しいといえます。そのため、診断を行う時には、詳細な精神医学的な面接を行い、他の精神疾患の可能性をひとつずつ消していくことが重要です。
解離性障害の診断で重要なのは、精神科医による丁寧な面接です。場合によっては、複数回繰り返して面接を行い、時間をかけて診断します。

解離性障害と間違えやすい病気はありますか?

解離性障害は、発症していることに気づいていない方が少なくありません。また、他の精神疾患と合併している場合も多く、診断は単純にはいきません。
例えば、幻聴などの症状がある場合、それがどのような要因でひきおこされているかを理解することから始めることになります。幻聴などの症状がある場合は統合失調症の可能性もあり診断が難しいです。
また、解離の原因になる心的外傷は、その後のストレス障害・不安障害・うつ病・境界性パーソナリティ障害・摂食障害などを引きおこしている場合が多く、これらの症状がはっきりしている場合は、解離性障害の判断には時間がかかります。

治療方法を教えてください。

解離性障害で推奨されているのは心理療法になります。これは解離性障害が精神的外傷との関連が強いとされているからです。
まず、治療に先立ち行われるのは発症した方の環境を整えることです。ストレスやトラウマになることから離すことで環境を整えます。心理療法では短期に治療ができるわけではありませんので、まず必要なのは専門医との良好な関係づくりです。その上で、トラウマとなった体験の記憶の対処方法を一緒に考えていきます。
解離性障害の治療である心理療法は時間をかけて行っていく治療法です。そのため、経済的・時間的な負担がかかります。心理療法のみに頼るのではなく、自分自身がストレスを発散させる工夫をしたり、リラックスできる空間をつくったりと普段の生活で工夫をすることも大切です。

編集部まとめ

電話を持つ女性
自分自身に自覚がなく記憶もないという時間が長くなると、自分に自信が持てないだけでなく、自分が別の人間に見えてきて不安だけが膨らんでしまいます。

自分が今どのような状況にあるのかを身近で信頼できる人へ相談してみましょう。専門医に直接聞いてみることも有効です。

また、周りに解離性障害の症状がある方がいるのでしたら、信頼関係を築き、その方と社会とのつながりをサポートするようにしましょう。

この記事の監修医師

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