「翼状片の治療方法」はご存知ですか?手術方法も解説!【医師監修】
翼状片は、白目(結膜)の組織が黒目(角膜)の中央に向かって進入する病気です。主に鼻側に生じますが、耳側や上下にも生じることがあります。
ここでは翼状片の症状・原因・治療方法・手術・予防について詳しく解説していきます。
※この記事はMedical DOCにて『「翼状片」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
目次 -INDEX-
翼状片の治療方法と手術
翼状片はどのような検査で診断されますか?
素人が肉眼で大きな翼状片を見つけることもできますが、類似した疾患(偽翼状片や結膜悪性腫瘍など)も存在するため、翼状片と断定せずに放置せず眼科の専門医に受診することをおすすめします。眼科医による正確な診断と適切な治療が必要です。
治療方法を教えてください。
ただし、充血が強い場合や不快感がある場合には、点眼治療が行われることがあります。点眼薬を使用して炎症を鎮めるなどして、症状の軽減を図るのです。
一方、美容上の理由や視力障害などがある場合には、外科的な切除手術が選択されることがあります。手術によって翼状片の組織を取り除き、症状の改善や見た目の修正を図ることが可能です。
ただし、手術後の再発率が高く、充血が残りやすいという特徴があることに留意する必要があります。治療方法は個々の症例によって異なりますので、眼科の専門医との相談をおすすめします。専門医が患者の状態を評価し、最適な治療計画を立てることが重要です。
翼状片で手術するタイミングを教えてください。
ただし、患者の状態や病院によっては一泊の入院が必要な場合もあるでしょう。両目に翼状片がある場合は、通常は二度に分けて手術を行います。これにより、両目に眼帯をつける必要がなく、また片方の目の手術を通じて安全性を確保することも目的とされているのです。
再発を防ぐために有効な手法として、「自己結膜移植術」があります。この手術では、取り除いた結膜の部分に正常な結膜を縫い付けることで再発率を低下させることが可能です。自己結膜移植術の実施により、再発率は数%から10%程度にまで下げることができます。
手術方法や再発予防のアプローチは患者ごとに異なる場合がありますので、専門医の指示に従い、個別の治療計画を立てることが重要です。
手術後の生活での注意点を教えてください。
- 手術翌日に眼帯を装着し、翌日に外す
- 手術翌日・翌々日・1週間後には診察を受ける
- 1週間後には糸の抜去を行う
- 手術翌日から1週間は入浴を控えるが、首から下のシャワーは可能
- 1週間後は顔を洗ったり、スポーツをしたりすることもできる
- 温泉は手術後1カ月間は控える
- 手術後数日間はゴロゴロとした異物感が続くこともある
- 術後は充血が続くが、1カ月経過すると充血は徐々に引く
- 3カ月後にはほとんど充血は見られなくなる
ただし個人の状態や手術方法によって経過が異なる場合もありますので、手術後のケアや経過観察については、主治医の指示に従ってください。
編集部まとめ
翼状片は眼の結膜に現れる疾患で、放置すると視力低下や乱視の原因となります。
症状によっては点眼治療で対応できますが、美容上の悩みや視力障害がある場合は手術が選択肢となります。手術は一般的に日帰りで行われ、短い時間で施術が可能です。
術後の経過は定期的な診察で確認されますが、一般的に数カ月で充血や異物感が改善され、再発のリスクも低下します。
翼状片の治療については、早めの受診が重要であり、適切な医師のアドバイスを受けながら治療方針を決めることが必要です。
気になる方は一度カウンセリングを受診しましょう。
参考文献