1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「老眼」は何歳くらいから発症するかご存知ですか?【医師監修】

「老眼」は何歳くらいから発症するかご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/01/30

40代頃になると気になり始める身体の変調の1つに、老眼が挙げられます。老眼は加齢に伴う生理現象で、全ての人に起こる症状です。

誰しもがいつかは付き合うことになる老眼ですが、どのような症状でどのような対処法が必要になるのかなど分からないことも多いのではないでしょうか。

この記事では、老眼の症状や原因・手術を含む治療方法・対処法について解説しています。老眼への理解を深め、自覚症状が現れた際には素早く対応できるようにしておきましょう。

※この記事はMedical DOCにて『「老眼」を疑う初期症状・対処法はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

プロフィールをもっと見る
徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

老眼の症状と原因

目が疲れた若い女性

老眼の症状について教えてください。

老眼に見られる主な症状には、近くの細かい文字が読みづらいことと、近くから遠くへ、遠くから近くへといった距離の違うものにピントを合わせるのに時間がかかることが挙げられます。本やスマホの文字が読みづらくなってきたり、近くを見ていてふっと遠くの景色を見たときにピントが合わせづらかったりしたら、それは老眼が始まったサインかもしれません。
また老眼の初期症状として、以下のような症状が見られることがあります。

  • 目の疲れ
  • 目のかすみ
  • 頭痛・肩こり
  • 細かい文字が読みづらい
  • 薄暗い場所で見えにくい

ただし目の疲れはドライアイや緑内障が原因となっている場合も考えられます。安易に老眼だと決めつけず、症状が続くようなら一度眼科で相談するとよいでしょう。

老眼の原因を教えてください。

老眼は目の老化であり、病気ではありません。年齢を重ねることに伴い現れる生理現象の1つです。
わたしたちの目には、レンズの役割を果たしている「水晶体」という組織があります。加齢に伴いその水晶体の弾力性が低下して硬くなってくると、近くのものにピントを合わせることができなくなってしまうのです。
また、水晶体を吊り下げる役割を果たしている毛様体小体という線維に繋がっている毛様体筋の動きが低下することでも、ピント調節機能が十分に働かなくなります。水晶体の弾力性が低下することと、毛様体筋の動きが低下することこそが、老眼の原因となっているのです。

老眼は何歳くらいから発症するのでしょうか?

一般的に老眼は40歳くらいで症状を自覚し始めて45歳くらいで老眼鏡が必要になる人が多いといわれていますが、早い人では30代で症状を自覚し始める人もいます。しかし実は、老眼自体は20代後半から始まっているといわれているのです。
普段からパソコン作業が多かったりスマホを良く見ていたりして近くも遠くも見る機会の多い人は、老眼に気付くのが早い傾向にあります。さらに元々視力の良い人(遠くのものがよく見える人や普段メガネをかける必要のない人)は、早く老眼が進行すると感じやすい人が多いといわれています。
これらのことから、老眼が始まってから実際に症状を自覚するまでの期間には、個人差が大きいといえるでしょう。

症状が進行するとどうなるのでしょうか?

老眼は進行とともにピントを合わせられる距離(近点)がどんどん遠くなっていきます。30歳での近点は14cmほどですが、50歳になると44cm、55歳になると67cmくらいにまで伸びます。
そのため老眼が進むと、人によっては手をいっぱいまで伸ばしても読んでいる本の文字にピントを合わせることができなくなってしまう可能性が出てくるのです。老眼が進行する原因は加齢です。
しかし近くのものを長時間見続ける習慣があると、症状の進行を早めてしまうので注意しましょう。

編集部まとめ

白衣を着た男性
老眼は誰にでも起こる生理現象とはいえ、なるべくなら進行を遅らせたいものです。

近くのものが見えづらいと感じたり、距離の違うものにピントを合わせるのに時間がかかったりというような老眼を疑う症状が続いたら、早めに眼科を受診し適切に対処することが重要です。

「まだ若いから」「老眼だなんて認めたくない」などと考えて老眼を放置してしまうと、進行を早めてしまう原因になります。

メガネやコンタクトレンズによる矯正をしたくないと考える人は、手術の検討も選択肢の1つです。手術を検討する際には、かかりつけの眼科医とよく相談して決めましょう。

この記事の監修医師

S