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「腎盂尿管がん」に初期症状はある?末期症状についても解説!【医師監修】

 公開日:2025/01/28

腎盂尿管がんという病名を聞いたことがあるでしょうか。腎盂尿管がんは膀胱がんに比べると発生率が低いがんです。

そのため知られていないかもしれませんが、血尿や腹痛・腰痛は腎盂尿管がんのサインかもしれません。

多くの病気でこうした症状が出るため、腎盂尿管がんと決めつけられませんが疑わない理由にもなりません。

腎盂尿管がんの症状・原因を詳しく解説しますので読んでいただけると幸いです。

※この記事はMedical DOCにて『「腎盂尿管がん」の症状・原因はご存知ですか?ステージについても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

村上 知彦

監修医師
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)

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長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科

腎盂尿管がんの症状と原因

医者

腎盂尿管がんとはどのような病気ですか?

腎盂と尿管には腎臓で造られた尿を膀胱に運ぶ役目があります。腎盂とは腎臓と尿管が接続している部分で、尿管が尿を膀胱に送り出すためのペースメーカーです。
腎盂と尿路には内腔に尿路上皮と呼ばれる粘膜があり、腎盂の尿路上皮に発生するがんが腎盂がん、尿管の尿路上皮に発生するがんが尿管がんです。また腎盂がんと尿管がんはひとまとめに「腎盂尿管がん」とも呼ばれます。
腎盂尿管がんは尿路上皮に多発的に発生しやすいがんで、進行するまで明らかな自覚症状がないため早期発見が難しいとされています。

腎盂尿管がんの症状を教えてください。

腎盂尿管がんでは主に以下の症状が出ます。

  • 肉眼で見える血尿
  • 腰・背中・脇腹の痛み

血尿と聞くと痛いのではと思う方が多いかもしれませんが、腎盂尿管がんの血尿は排尿時に痛みを伴いません。排尿時の痛みや頻尿が発生するのは稀なケースです。
腫瘍が大きくなり尿管を塞ぎ、尿が腎臓にたまった状態(水腎症といいます)になると、腰・背中・脇腹に痛みが出る場合があります。痛みは止んだり出たりを繰り返しますが、最終的には痛みを感じなくなってしまう点には注意が必要です。

初期症状・末期症状はありますか?

腎盂尿管がんは自覚症状が少ない病気です。自覚できる初期症状はほとんどありませんが、健康診断や人間ドックの尿検査で潜血反応が出る場合があります。この潜血反応が唯一の初期症状といってもいいでしょう。
腎盂尿管がんの末期には腫瘍がある部分に痛みが発生します。また倦怠感が強くなり食欲が落ち体重が減り衰弱し、次第に意識が朦朧とした状態になり死に至ります。

発症の原因を教えてください。

腎盂尿管がん発症の代表的なリスク因子は喫煙・フェナセチン・ベンジンやβナフタレンなどの特定芳香族アミンとされています。これらのリスク因子の中でも最もハイリスクなのが喫煙です。
喫煙者の腎盂尿管がんのリスクは非喫煙者の3倍で、喫煙歴45年以上の喫煙者では7.2倍になります。フェナセチンは過去に解熱・鎮痛剤に使用されていましたが、がんを誘発するリスク因子だと分かり使用されなくなったのでローリスクです。
特定芳香族アミンによる発がんには7年以上の曝露歴が必要で、発がんするまでの潜伏期間は20年以上といわれています。曝露とは食べる・飲む・吸い込むなどして体内に入れることを指し、職業的な理由がない限り特定芳香族アミンを7年以上も曝露する人は少ないでしょう。

編集部まとめ

女性
先生のお話から腎盂尿管がんは初期症状に自覚がないことが分かりました。

血尿・腹痛・腰痛といった自覚症状が出て病院に行く頃には、ステージが進んでしまっている可能性も高いと考えられます。

早期発見と早期治療で寛解が望めますし、生存率も高くなります。また腎盂尿管がんだけではなく、どのような病気も早期発見が大切です。

面倒かもしれませんが定期的な健康診断を受けましょう。

この記事の監修医師