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「ヘルパンギーナ」を発症すると現れる症状・手足口病との違いはご存知ですか?

 公開日:2025/01/28

なんだか子どもの元気がない・食欲がないなど、いつもと違う様子に不安になっている方は多いのではないでしょうか。

突然の発熱・食欲不振・のどを痛がる…当てはまる症状があれば、「ヘルパンギーナ」かもしれません。

この記事では「ヘルパンギーナ」について詳しく説明していきます。

また、まぎらわしい手足口病との違いについても説明していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

子どもの体調不良が心配な人も、この記事を読めば、きっと不安が解消されるはずです。

※この記事はMedical DOCにて『「ヘルパンギーナ」を発症すると現れる初期症状・原因はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

白井 沙良子

監修医師
白井 沙良子(医師)

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小児科医(日本小児科学会専門医)。慶應義塾大学医学部卒業。総合病院にて研修を修了し、現在はクリニックにて、様々な感染症やアレルギー疾患の診療、乳幼児健診、育児相談などを担当。オンライン医療相談、医療記事の執筆・監修、企業向けセミナーなども通じて「エビデンスに基づいた育児情報」を発信している。

ヘルパンギーナの症状と原因

猫のマスコットと聴診器

ヘルパンギーナはどのような病気でしょうか?

ヘルパンギーナはウイルス性の感染症です。
特徴的な症状として、発熱と口内に水疱が発症する急性のウイルス性咽頭炎です。主にコクサッキーA群ウイルスなどのエンテロウイルスが原因で起こる感染症ですが、原因となるウイルスは複数あるため、繰り返しかかることもあります。
病原菌であるエンテロウイルスは、7月頃に流行のピークを迎える夏かぜの一種です。日本では毎年5月頃から流行しはじめ、8月頃から落ち着いてきます。
ヘルパンギーナにかかりやすいのは、1~5歳以下の乳幼児で、全体の9割以上にのぼります。その中でも1歳台がもっとも多く、ついで2~4歳台。0歳と5歳はほぼ同程度の症例数が報告されています。

症状を教えてください。

主な症状には、以下のものがあります。

  • 38~40℃の高熱
  • のどの痛み
  • 口内に水疱(水ぶくれのような発疹)ができる
  • 食欲不振、哺乳障害

思い当たる症状があればヘルパンギーナを疑い、病院に行ってみましょう。

発症の原因を教えてください。

ヘルパンギーナの発症原因は、飛沫・接触・経口感染です。よくある感染経路には、以下のものがあります。

  • すでにウイルスを持っている人との会話・くしゃみ・咳
  • 感染者の触ったものや、タオルの共用
  • 排泄物に含まれるウイルスに感染

特に、咳やくしゃみのしぶきは思わぬほど遠くまで飛ぶので、気付かぬうちに感染してしまいます。よって、発症原因である感染経路の特定はできません。これが、マスクの着用といった衛生管理ができない乳幼児に流行する原因のひとつです。
その後、ヘルパンギーナウイルスが体内に入ると、数日の潜伏期間を経て発症に至ります。

ヘルパンギーナと手足口病の違いを教えてください。

発熱や口内の発疹(水疱)など症状が似ているので、手足口病とまぎらわしいヘルパンギーナ。2つの大きな違いは発疹のできる場所発熱のタイミングにあります。
手足口病は、その名の通り手や足、身体の広範囲に発疹が出ますが、ヘルパンギーナは口内以外に発疹は出ません。
手足口病の場合、発熱がみられることもありますが、通常はヘルパンギーナのような高熱が続くことはありません。
手足口病でも、最初はヘルパンギーナと同様に、口の中の水疱のみがみられる場合もあります。その場合は時間が経過しないと、手足口病なのか、ヘルパンギーナなのか、医師でも診断がむずかしい場合もあります。

ヘルパンギーナは大人もかかるのでしょうか?

ヘルパンギーナの原因であるエンテロウイルスは、人から人へ移るウイルスなので大人がかかる場合もあります。大人が感染しても、軽症もしくは症状が現れないまま治るのが一般的ですが、子どもの看病をする親は感染する可能性が高くなるので注意しましょう。
食事の世話やオムツ交換の場面で感染リスクが高まります。感染予防には、こまめな手洗いうがいが有効です。

編集部まとめ

手の中のハート
今回ご紹介した「ヘルパンギーナ」は、比較的軽度な感染症であることがわかりました。

今回ご紹介した「ヘルパンギーナ」は、 多くの乳幼児がかかる夏風邪のひとつで、対症療法で治るケースがほとんどであることがわかりました。

おしっこの回数が極端に減ったり、ぐったりしたり、といった様子がないかを観察しながら、水分をしっかりとったり、解熱剤を使ったり、といった対症療法をしっかり行いましょう。

日ごろから子どもの健康管理に気をつけていても、集団生活の中で完璧に予防するには限界があります。無理のない程度に、感染予防していきたいですね。

お子様の病気が治り、いつもの笑顔が早く見れますように。

この記事の監修医師