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「血餅(けっぺい)」が出来た際の注意点とは?【医師監修】

 公開日:2025/02/25

血餅(けっぺい)をご存じでしょうか?血餅とは、抜歯後にできるかさぶたのようなものです。

血餅は歯茎の自然治癒機能により起こる現象で、放っておいても問題ありません。しかし、血餅が剥がれると「ドライソケット」という状態になり、痛みが出ます。

抜歯を経験したことがない方の多くは、これらの用語について馴染みがないほか、抜歯後のケアなどについて不安に思うかもしれません。

そこでこの記事では、抜歯後の血餅について、注意点などを解説します。

抜歯を予定している方は是非とも最後まで読んでいただき、適切なケアの参考になれば幸いです。

※この記事はMedical DOCにて『「血餅(けっぺい)」をご存知ですか?取れた場合や白くなる原因も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

酒向 誠

監修歯科医師
酒向 誠(酒向歯科口腔外科クリニック)

血餅(けっぺい)の注意点

注意点を示す医師

血餅(けっぺい)を取れにくくするために注意することを教えてください。

抜歯後の血餅は取れやすく、適切にケアする必要があります。その上で注意したいのは、「血液の流れを促進するような行動を控える」ことです。
血液の流れを促進する行動としては、主に入浴・飲酒・激しいうがいなどの行為が挙げられます。
血液の流れが促進されると止血がうまくいかず、血餅の形成が不安定になります。不安定な血餅だと剥がれやすいため、抜歯後のケアが難しくなるのです。また、血液の流れが促進されると、痛みがひどくなる場合もあります。これらを避けるためにも、抜歯後の行動には注意しましょう。

血餅(けっぺい)が自然に取れるまでどのくらいの時間がかかりますか?

先述したように、血餅は抜歯の当日に形成され、3〜5日程度で白っぽい物質になります。抜歯後7〜10日ほど経つと自然に取れてなくなるため、それまでは上記の注意事項を踏まえて適切にケアしましょう。
なお、抜歯後の窪みが気になり、舌や指で直接触れてしまって血餅が取れるような事例もあります。抜歯後は痛み・違和感があるかもしれませんが、10日間は我慢して患部が自然治癒するまで待ちましょう。

血餅(けっぺい)が歯茎になるまでどのくらいかかりますか?

血餅が自然に取れて歯茎を形成するまでには100日程度かかります。抜歯後10日程すると血餅が自然に取れることは既に述べましたが、抜歯後30日程で表層の歯肉が形成され始めます。抜歯後50日では骨髄が形成され始め、抜歯後100日程で骨の形態変化が完了するという流れです。
抜歯後の歯茎は自然治癒に注力しています。だからこそ、抜歯直後の不安定な患部に細菌が入らないように細心の注意を払う必要があるのです。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

抜歯後の歯茎では出血により血餅が形成され、時間をかけて自然治癒します。放っておけば元通りの歯茎になりますが、抜歯後の行動次第では血餅が剥がれ、ドライソケットになる可能性があります。
ドライソケットの発症頻度は比較的少ないですが、ドライソケットになると中長期的に痛みを伴うほか、化膿すると強烈な口臭の原因になるため患者にとって好ましくはないでしょう。
このような事態を避けるため、抜歯直後は血流を安定させるように行動しましょう。血流が安定しなければ止血がうまくいかず、血餅の形成が不安定になるからです。特に入浴・飲酒・激しいうがいなどの行動は避けましょう。また、痛みや化膿が起こった場合には早めに歯科医師へ相談しましょう。

編集部まとめ

笑顔の女性
この記事では抜歯後にできる血餅について、その特徴・注意点・取れるまでの時間などについて解説しました。

また、歯科医師に相談すべき症状についても詳しく解説しました。

血餅は抜歯後に自然に起こる症状で、歯茎の治癒には不可欠な存在です。そのため、無理に剥がそうとするのではなく、取れないように細心の注意を払いましょう。

抜歯後の症状には馴染みが薄い方も多く、ドライソケットになる方は一定数存在します。少しでも判断に困ることがあれば、遠慮せずに歯科医師へ相談しましょう。

歯茎の自然治癒が適切かつ早期に完了すれば、その後の矯正など、各種治療をスムーズに進められます。

この記事の監修歯科医師

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