「喉頭腫瘍」を発症すると現れる症状・なりやすい人の特徴はご存知ですか?
公開日:2025/01/27
喉頭腫瘍とはのど仏の位置にできる腫瘍で、ほとんどの場合が癌です。のど仏は声を発する声帯があるため、腫瘍の進行度によっては切除しなければなりません。
のど仏を切除すると声帯が失われるため、最悪の場合、声が出せなくなる恐ろしい病です。その場合、代替的な発声法などのリハビリが必要になります。
ただし喉頭腫瘍には声がれ(声が枯れること)などのわかりやすい症状があり、早期発見されやすいのも特徴の1つです。
この記事では喉頭腫瘍の症状・原因・なりやすい方などについて解説します。
ぜひ最後まで読んでいただき、少しでも気になる症状がある方は早期に医療機関を受診しましょう。
※この記事はMedical DOCにて『「喉頭腫瘍」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
矢富 正徳(医師)
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東京医科大学病院
保有免許・資格
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
日本耳鼻咽喉科学会認定指導医
日本睡眠学会認定睡眠専門医
日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
難病指定医
身体障害者福祉法第15条指定医
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日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
難病指定医
身体障害者福祉法第15条指定医
目次 -INDEX-
喉頭腫瘍の症状と原因
喉頭腫瘍はどのような病気ですか?
喉頭腫瘍はのど仏の位置にできる腫瘍で、ほとんどの場合は悪性です。悪性の腫瘍は一般的に癌として知られています。癌が声帯にあるうちは放射線治療のみで90%の確率で治療できます。しかし声帯を超えて癌が進行した場合、放射線治療のみでは対処できません。
最悪の場合、喉の全摘出が必要となり、発声機能は失われます。発声機能を失った場合、代替的な発声方法を会得するためにリハビリが行われます。代替的な発生法とは、食道発声法や電気喉頭などです。
最悪の場合、喉の全摘出が必要となり、発声機能は失われます。発声機能を失った場合、代替的な発声方法を会得するためにリハビリが行われます。代替的な発生法とは、食道発声法や電気喉頭などです。
喉頭腫瘍の症状を教えてください。
喉頭腫瘍の症状は非常に特徴的です。その特徴は声がガラガラしたり、かすれたりする「声がれ」の症状として現れます。そのため喉頭腫瘍の発症者全体の実に半数程度が、発症から3ヶ月以内に発見されているというデータもあります。
一方で、声がれという症状そのものは、多くの方にとって受診する理由になりにくいのが難点です。なぜなら、カラオケなどで歌いすぎた場合や高齢者の喉の調子が悪いときなど、声がれになることはごく一般的だからです。
また、発症するのは5万人に1人程度と非常に少ないため、声がれ程度の症状は耳鼻咽喉科医師でも見落としてしまう可能性もあります。
一方で、声がれという症状そのものは、多くの方にとって受診する理由になりにくいのが難点です。なぜなら、カラオケなどで歌いすぎた場合や高齢者の喉の調子が悪いときなど、声がれになることはごく一般的だからです。
また、発症するのは5万人に1人程度と非常に少ないため、声がれ程度の症状は耳鼻咽喉科医師でも見落としてしまう可能性もあります。
喉頭腫瘍とポリープはどのように違うのでしょうか?
喉頭腫瘍とポリープの違いは、その危険性にあります。一般的にポリープは炎症によって生じるという特徴があります。そのため、放置しても特段危険ではありません。ただし喉頭腫瘍と同様に声がれなどの症状や違和感があることがあります。
これらの改善には手術による摘出が必要です。なお、ポリープによる違和感があるまま喉を使いすぎたり無理な発声を行うと声帯全体に炎症が広がる可能性があります。危険性が少ないとはいえ、最悪の場合、大切な声帯を失うほど悪化する可能性もあるので注意が必要です。
これらの改善には手術による摘出が必要です。なお、ポリープによる違和感があるまま喉を使いすぎたり無理な発声を行うと声帯全体に炎症が広がる可能性があります。危険性が少ないとはいえ、最悪の場合、大切な声帯を失うほど悪化する可能性もあるので注意が必要です。
発症の原因を教えてください。
喉頭腫瘍を発症する原因は主に喫煙です。先述したとおり、喉頭はのど仏の位置にあり、気道であると同時に発声機能を担っています。そのため多くの有害物質が気道を通り抜けていく喫煙は喉頭腫瘍の発症に大きく関係しています。
タバコにはニコチン・タールなどに代表される有毒物質・発癌物質が250種類以上も含まれているのです。さらに、飲酒も喉頭腫瘍の発症の原因になるとされています。
アルコール自体もそうなのですが、アルコールが代謝されたあとに生じるアセトアルデヒドという物質に発癌作用があるのです。特に日本人はアルコールの分解が遅い傾向にあるため、過度な飲酒は要注意です。なお、飲酒と喫煙は相乗効果の関係にあるといわれています。
タバコにはニコチン・タールなどに代表される有毒物質・発癌物質が250種類以上も含まれているのです。さらに、飲酒も喉頭腫瘍の発症の原因になるとされています。
アルコール自体もそうなのですが、アルコールが代謝されたあとに生じるアセトアルデヒドという物質に発癌作用があるのです。特に日本人はアルコールの分解が遅い傾向にあるため、過度な飲酒は要注意です。なお、飲酒と喫煙は相乗効果の関係にあるといわれています。
どのような方が喉頭腫瘍になりやすいのでしょうか?
先述したとおり、喫煙者・飲酒者は喉頭腫瘍になりやすいといえます。喉頭腫瘍の発症者は約96%が喫煙者であるとのデータがあります。そのなかでも男性:女性の発症比率は10:1です。こちらも、女性よりは男性の方が喫煙者が多いという傾向に大きく影響を受けています。
そのほか、飲酒も喉頭腫瘍の発症に大きく関わっています。週1回以上の飲酒をする方は、全く飲酒をしない方に比べて喉頭腫瘍を発症するリスクが1.8倍になるとのデータがあるのです。
さらに、喫煙・飲酒の両方をする方は、どちらもしない方に比べて発症リスクが約4倍になることも知られているのです。これらのことから、喫煙や飲酒はほどほどに控えるのが賢明だといえます。
そのほか、飲酒も喉頭腫瘍の発症に大きく関わっています。週1回以上の飲酒をする方は、全く飲酒をしない方に比べて喉頭腫瘍を発症するリスクが1.8倍になるとのデータがあるのです。
さらに、喫煙・飲酒の両方をする方は、どちらもしない方に比べて発症リスクが約4倍になることも知られているのです。これらのことから、喫煙や飲酒はほどほどに控えるのが賢明だといえます。
編集部まとめ
この記事では、喉頭腫瘍の症状・発症原因・診断方法・予防方法などについて解説しました。
喉にできる腫瘍はほとんどの場合が悪性であり、「癌」です。症状としては声がれ・息切れという形で現れます。
症状が気になる方は耳鼻咽喉科へ相談の上、喉頭鏡検査・内視鏡検査などの検査方法で発見することが可能です。
主に喫煙・飲酒を好む方がなりやすく、生活習慣の摂生が一番の予防策になります。日頃の生活習慣を見直し、健康増進に取り組みましょう。