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「全身性アミロイドーシス」の症状・なりやすい人の特徴はご存知ですか?

 公開日:2025/01/27

全身性アミロイドーシスは、異常なタンパク質が臓器・神経・消化管などに沈着して機能不全を起こす病気です。

臓器・神経・消化管などの機能不全が起こると、手足のしびれ・麻痺・むくみ・衰弱・下血・低血圧・心不全などの様々な症状が起こります。

進行は速い傾向にあり、以前は発症してからの平均余命が約12ヶ月ともいわれていました。

現在では治療の進歩により、完全に寛解することも可能になっています。

今回記事では、全身性アミロイドーシスについて・種類・症状・原因について解説します。

気になる症状のある方は、お近くの医療機関にご相談ください。

※この記事はMedical DOCにて『「全身性アミロイドーシス」を発症すると現れる初期症状・原因はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

全身性アミロイドーシスの種類と症状

カルテを持つ医師

全身性アミロイドーシスとはどのような病気でしょうか?

全身性アミロイドーシスとは、異常なタンパク質が様々な臓器に付着して機能障害を起こす病気の総称です。高齢の男性に多く、発症には年齢によるもの・遺伝子の異常・ホルモンの影響などが関係しているのではないかといわれていますが、現在のところ原因は不明です。
症状は、衰弱・心不全・低血圧・手足のしびれなど多岐にわたり、症状のみでの判断は困難です。そのため、診断のためには病変部位の生検・血液検査・尿検査などが必要になります。

全身性アミロイドーシスはいくつかの種類に分類されると聞きましたが…。

アミロイドーシスには、以下のように5種類に分類されます。

  • ATTRアミロイドーシス
  • ALアミロイドーシス
  • AAアミロイドーシス
  • Aβ2Mアミロイドーシス

ATTRアミロイドーシスとはトランスサイレチン(TTR)遺伝子の変異が原因となって起こります。ATTRアミロイドーシスには、遺伝性と野生型の2種類です。遺伝性は遺伝が原因で発症し、野生型は加齢によるものといわれています。しかし、明らかな原因は不明です。高齢の男性に多く、むくみ・不整脈・手足のしびれなどの様々な症状を引き起こします。
ALアミロイドーシスは、異常なタンパク質が様々な臓器に沈着する病気です。発症する部位によって、全身性と限局性ALに分類されています。この記事で取り上げている全身性アミロイドーシスは、ALアミロイドーシスに該当します。
また、他にAAアミロイドーシス・Aβ2Mアミロイドーシスがあるのです。これらも異常なタンパク質が原因となりますが、タンパク質の種類が異なるため、別の病気として分類されているのです。

症状を教えてください。

全身性アミロイドーシスの症状には、以下のようなものがあります。

  • 蛋白尿
  • 尿の障害
  • 衰弱
  • むくみ
  • 息切れ
  • 動悸
  • 不整脈
  • 下血
  • 便秘
  • 下痢
  • 手足のしびれや痛み
  • 低血圧

骨髄で作られた異常なタンパク質が血液に乗って全身に運ばれて、これらの症状を引き起こすのです。例えば、腎臓の障害によって、蛋白尿・尿の障害が出ます。そして、心臓の障害によって息切れ・むくみ・動悸・不整脈が起こり、消化管の障害で下血・便秘・下痢などの症状が表れます。
他には、末梢神経や自律神経まで障害されると、手足のしびれや痛み・低血圧・頭痛なども起こるのです。

発症の原因を教えてください。

発症の原因は、年齢によるもの・遺伝子の異常・透析によるものなどと考えられていますが、現在では明らかになっていません。しかし近年では、明確な原因はわからなくても、臓器に沈着するタンパク質の性質を調べて症状の進行を抑えることは可能になっています。
気にある症状のある方は、お近くの医療機関にご相談ください。

どのような方が全身性アミロイドーシスになりやすいのでしょうか?

全身性アミロイドーシスは、高齢の男性に多い病気です。もちろん、すべての高齢者が発症するわけではありませんが、高齢になるとかかる可能性が高まるといわれています。
なぜ男性が多いのか、理由は明らかになっていませんが、性ホルモンや遺伝子の影響だと考えられています。

編集部まとめ

笑顔の看護師
記事では、全身性アミロイドーシスの種類・症状・原因・診断・治療方法・予後・余命について解説しました。

病気の特徴として症状は多岐にわたるため、初期症状で判断するのは非常に困難です。

また、治療法に関しては、近年発展を遂げて根本的な治療が行えるようになりつつあります。

しかし、進行が速い傾向にあり、発症してから数年で亡くなってしまう場合もあるのです。

全身性アミロイドーシスは早期発見と早期治療によって、悪化させない必要があります。

気になる症状のある方は、まずは症状に合わせた医療機関にご相談ください。

この記事の監修医師