甲状腺がんの一種「乳頭がん」は経過観察もある?手術などの治療も医師が解説!
公開日:2026/01/24

乳頭がんという病気をご存じでしょうか。
乳頭がんは、のどぼとけの下にある甲状腺にできる甲状腺がんの一種です。その名前から乳がんと関係があるように思えますが、実は全く関係はありません。
今回は乳頭がんの治療方法を詳しくご紹介します。
「首のあたりにしこりがあるかも」・「この症状は乳頭がんなのでは」・「乳頭がんといわれたけど手術が必要なのだろうか」など、気になる点がある方はぜひ最後までご覧ください。
※この記事はメディカルドックにて『「乳頭がん」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?ステージについても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
小島 敬史(国立病院機構 栃木医療センター)
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【経歴】
経歴
2006年3月 慶應義塾大学医学部医学科卒
2008年3月 佐野厚生総合病院 初期臨床研修修了
2008年4月 慶應義塾大学耳鼻咽喉科学教室所属
2013年9月 慶應義塾大学病院 助教として勤務
2018年8月 米国 ノースウェスタン大学耳鼻咽喉科で遺伝性難聴の基礎研究に従事
2021年5月〜 国立病院機構 栃木医療センター 耳鼻咽喉科医長 (現職)
【資格等】
日本耳鼻咽喉科学会専門医・指導医、日本耳科学会認定医、補聴器相談医、補聴器適合判定医
所属学会:日本耳鼻咽喉科学会、日本耳科学会、日本聴覚医学会、耳鼻咽喉科臨床学会
経歴
2006年3月 慶應義塾大学医学部医学科卒
2008年3月 佐野厚生総合病院 初期臨床研修修了
2008年4月 慶應義塾大学耳鼻咽喉科学教室所属
2013年9月 慶應義塾大学病院 助教として勤務
2018年8月 米国 ノースウェスタン大学耳鼻咽喉科で遺伝性難聴の基礎研究に従事
2021年5月〜 国立病院機構 栃木医療センター 耳鼻咽喉科医長 (現職)
【資格等】
日本耳鼻咽喉科学会専門医・指導医、日本耳科学会認定医、補聴器相談医、補聴器適合判定医
所属学会:日本耳鼻咽喉科学会、日本耳科学会、日本聴覚医学会、耳鼻咽喉科臨床学会
乳頭がんの検査方法と治療方法

どのような検査を行いますか?
乳頭がんの検査ではまず、自覚症状・既往歴・放射線被ばくの経歴・家族歴などを問診します。そして視診・触診を行います。視診・触診でわかるのは、甲状腺のサイズ・しこりの有無・硬さなどです。血液検査では、甲状腺ホルモンなどを調べてがんの状態を把握します。
多くのがんには、その発生の有無を調べる腫瘍マーカーがそれぞれあります。しかし、乳頭がんには特定の腫瘍マーカーが存在しません。画像検査には、超音波検査・CT検査・MRI検査・シンチグラフィ検査があります。超音波検査は痛みもなく短時間で行える検査です。しこりの有無・位置・サイズ・性質に加えて、リンパ節への転移などその他の病変も調べます。
CT・MRI検査は、がんが周辺臓器へ広がっていないか、転移がないかなどをより詳しく調べるために用います。シンチグラフィ検査とは、甲状腺機能・しこりの有無などを確認するために、放射性物質を注射・内服して行う検査です。
これらの検査でしこりが確認された場合に行われるのが、病理検査である穿刺吸引細胞診です。超音波で甲状腺の内部を確認しながら、がんが疑われる部分に細い針を刺し、直接的に細胞を吸い取って顕微鏡で調べます。この検査では、甲状腺がんの種類判別に優れているため、乳頭がんの診断に効果的です。以上の検査を段階に応じ、組み合わせながら行います。
多くのがんには、その発生の有無を調べる腫瘍マーカーがそれぞれあります。しかし、乳頭がんには特定の腫瘍マーカーが存在しません。画像検査には、超音波検査・CT検査・MRI検査・シンチグラフィ検査があります。超音波検査は痛みもなく短時間で行える検査です。しこりの有無・位置・サイズ・性質に加えて、リンパ節への転移などその他の病変も調べます。
CT・MRI検査は、がんが周辺臓器へ広がっていないか、転移がないかなどをより詳しく調べるために用います。シンチグラフィ検査とは、甲状腺機能・しこりの有無などを確認するために、放射性物質を注射・内服して行う検査です。
これらの検査でしこりが確認された場合に行われるのが、病理検査である穿刺吸引細胞診です。超音波で甲状腺の内部を確認しながら、がんが疑われる部分に細い針を刺し、直接的に細胞を吸い取って顕微鏡で調べます。この検査では、甲状腺がんの種類判別に優れているため、乳頭がんの診断に効果的です。以上の検査を段階に応じ、組み合わせながら行います。
治療方法を教えてください。
乳頭がんの治療方法は、がんの状態・年齢・健康状態により変わるので、正確な診断・判断のもとで患者さんの希望も踏まえて決定することが大切です。主な治療方法は、手術・放射線治療・薬物療法になります。
乳頭がんの診断を受けた際、基本的に行われるのは手術です。手術方法には、甲状腺の全摘・亜全摘・葉峡部切除(峡部を含む片側葉切除)があります。がんが甲状腺全体に広がっていたり、リンパ節にまで及んでいたりする場合は、周囲の正常な甲状腺組織・リンパ節も切除します。
次に放射線治療ですが、乳頭がんにおける放射線療法の主な方法は、放射性ヨード内用療法です。放射性ヨードを服用した後、内照射することで、術後わずかに残ってしまったがん細胞の破壊が期待できます。薬物療法は主に2つで、甲状腺ホルモン療法・分子標的療法です。
甲状腺ホルモン療法は、術後の甲状腺ホルモン剤内服量を増やすことで、甲状腺ホルモンの分泌を抑制して再発・転移のリスクを減らす効果が期待できます。分子標的療法は、再発・転移において、手術・放射性ヨード内用療法では対応できない場合に行われる治療方法です。治療効果が期待できますが、副作用が強い点には注意が必要です。
このように、専門医が個々に合った治療方法を総合的に判断して行います。
乳頭がんの診断を受けた際、基本的に行われるのは手術です。手術方法には、甲状腺の全摘・亜全摘・葉峡部切除(峡部を含む片側葉切除)があります。がんが甲状腺全体に広がっていたり、リンパ節にまで及んでいたりする場合は、周囲の正常な甲状腺組織・リンパ節も切除します。
次に放射線治療ですが、乳頭がんにおける放射線療法の主な方法は、放射性ヨード内用療法です。放射性ヨードを服用した後、内照射することで、術後わずかに残ってしまったがん細胞の破壊が期待できます。薬物療法は主に2つで、甲状腺ホルモン療法・分子標的療法です。
甲状腺ホルモン療法は、術後の甲状腺ホルモン剤内服量を増やすことで、甲状腺ホルモンの分泌を抑制して再発・転移のリスクを減らす効果が期待できます。分子標的療法は、再発・転移において、手術・放射性ヨード内用療法では対応できない場合に行われる治療方法です。治療効果が期待できますが、副作用が強い点には注意が必要です。
このように、専門医が個々に合った治療方法を総合的に判断して行います。
手術をせずに経過観察を行う場合もあるのですね。
乳頭がんの中には、がんのサイズが1㎝以下の「微小乳頭がん」があります。そして、転移・臓器への浸潤が明らかではないものを「超低リスク乳頭がん」とし、手術は行わずに定期的に超音波検査などで経過観察する「非手術経過観察」を行うケースも多いです。
「甲状腺腫瘍診療ガイドライン(2018年版)」でも、超低リスク乳頭がんにおける非手術経過観察を推奨しています。
また日本甲状腺学会の報告では、非手術経過観察を行った超低リスク乳頭がんのほとんどは進行せず、万が一進行した場合でもその時点で手術を行えば経過・予後は良好であると示されています。経過観察は、経験豊富な専門医・超音波技師のもとで行われることが必要です。
「甲状腺腫瘍診療ガイドライン(2018年版)」でも、超低リスク乳頭がんにおける非手術経過観察を推奨しています。
また日本甲状腺学会の報告では、非手術経過観察を行った超低リスク乳頭がんのほとんどは進行せず、万が一進行した場合でもその時点で手術を行えば経過・予後は良好であると示されています。経過観察は、経験豊富な専門医・超音波技師のもとで行われることが必要です。
編集部まとめ

乳頭がんについて、詳しくご紹介しました。
「初めて乳頭がんを知った方」・「病名は聞いたことがあったが詳しく知らなかった方」・「乳頭がんと診断されたので詳しく知りたかった方」などさまざまだと思います。
乳頭がんは、他のがんと比べて予後もよく、治療により根治が目指せるがんです。
定期健診などはまだ確立していませんが、ご紹介した症状に当てはまるような場合には、すぐに専門医を受診しましょう。
この記事が、皆さまの乳頭がんの早期発見・早期治療につながれば幸いです。
