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「尿管結石」の症状・原因・なりやすい人の特徴はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/01/24

突然下腹部に激痛が走ることがあったり、血尿が出たりする人は要注意です。もしかしたらそれは尿管結石かもしれません。

尿管結石とは字のごとく尿管に結石ができることをいいます。

中年以降の男性に発症しやすい傾向ですが、最近では女性や若い男性にも増えている病気でもあります。

放置しておくと腎機能の低下のリスクや再発のリスクが高いともいわれており、注意が必要です。

今回は尿管結石について、発症しやすい人や予防方法について詳しく解説しますので是非参考にしてください。

※この記事はMedical DOCにて『「尿管結石」の症状・原因・予防法・控えた方がよい食べ物はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

平澤 陽介

監修医師
平澤 陽介(東京医科大学病院)

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2008年3月 北海道大学医学部医学科卒業
2010年3月 横浜労災病院 初期研修修了
2011年4月 慶應大学病院 泌尿器科 助教
2014年4月 東京医科大学病院 泌尿器科 助教
2018年4月 東京医科大学病院 泌尿器科 助教・医長 医学博士取得
2019年5月 Cedars Sinai (アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス)にResearch fellowとして留学
2021年4月 東京医科大学病院 泌尿器科 講師

尿管結石とは

指さす男性医師

尿管結石はどのような病気でしょうか?

尿管結石とは、腎臓から出た尿が尿管の通り道である尿管内で結晶化して石のような固まりができる病気です。尿管結石は尿管の通り道を塞いでしまうことにより、腰や下腹部などの痛み・排尿困難・発熱などの症状を引き起こすことがあります。
尿管結石は、水分摂取不足や食生活の乱れ、運動不足などが原因となり、尿の中に含まれる酸や塩分が過剰になることによって発症することがあります。また遺伝的な要因や、代謝異常などによっても尿管結石が発生することがあるので、当てはまる人は注意が必要です。
尿管結石は尿路結石症の一種であり、膀胱結石や腎臓結石といった結石症とも関連しています。治療法としては、保存的治療(痛み止め・抗生剤など)・体外衝撃波結石破砕術・内視鏡的手術(経尿道的レーザー結石破砕術など)・手術などがあります。
排石のための決定的な薬はいまだに存在しないため、結石破砕術や手術などの物理的結石破砕と除去がいまでも中心になります。症状によって適切な治療法を選択する必要があるので、現在発症している人は、医師としっかり相談したうえで判断しましょう。

症状を教えてください。

尿管結石の症状は、わき腹から下腹部にかけて突然起こる強い痛みが特徴です。そのほかにも以下のような特徴があります。

  • 血尿
  • 発熱
  • 腰痛
  • 吐き気
  • 冷や汗

発症の原因を教えてください。

尿管結石は尿に含まれる主にカルシウムが結晶化することで結石ができ、その結石が尿管に詰まることで発症します。特に尿酸値の高い人や生活習慣病の人は、尿管結石にかかりやすい傾向です。

どのような人がなりやすいのでしょうか?

個人の体質にも左右されますが、生活習慣も大きく関わっています。結石ができやすい生活習慣は以下の特徴があるので、当てはまるものがあれば改善してみましょう。

  • 過剰な塩分摂取やたんぱく質の多い食事が多い
  • 普段から水分をあまりとらない
  • 肉類を多く食べる
  • 糖分や塩分を多くとる
  • 運動を普段からあまりしない
  • 肥満体型
  • 座りっぱなしの生活が多い
  • 尿管結石になったことのある家族がいる

上記の要因が重なることで、尿管結石が発生するリスクが高まると言われています。

尿路結石とはどのように違うのでしょうか?

尿管結石は尿管結石・腎臓結石・膀胱結石の3つの総称であり、結石がどこにあるかで呼び名が変わります。
3つの中で特に痛みが強いと言われているのが尿管結石です。非常に詰まりやすい箇所でもあるので、未然に防ぐためにも日々の予防策をしっかりと行いましょう。

編集部まとめ

ランニングする男女
激痛が伴うこともある尿管結石には誰も経験したくないでしょう。しかし尿管結石は早期発見できれば手術をすることもなく治療を行えます。

血尿が出たり腰痛があったりするなどの前表がある際は、早めに泌尿器科で診察してもらいましょう。また、結石かと思っていたら大動脈解離であったなどの怖い病気が隠れていることもあるので、痛みなどの症状がある場合にはなるべく早く病院を受診して、CT検査などの踏み込んだ検査を受けて医師の診察を受けてください。

また、一度尿管結石を経験すると再発リスクが非常に高いので、運動・正しい食生活・こまめな水分補給を取り入れることで、未然に防ぐことが大切です。

まずは発症しないように普段から気を付けて予防をすることが一番のおすすめです。

この記事の監修医師