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「飛蚊症」の治療法はご存知ですか?医師が監修!

 公開日:2024/10/29

視界に細かい粒や糸くずのような物が見えて不快に感じた経験がある方は多いのではないでしょうか。

このように、視界に様々な物体が見える症状のことを「飛蚊症」といいます。

飛蚊症は、眼の内部を満たしている硝子体というゼリー状の物質に、何らかの物体が浮遊することで視野に影響が及ぶことが一般的です。

その他にも加齢で硝子体が縮小し網膜と解離することや眼の炎症により引き起こされることもあります。

今回は、飛蚊症の症状・危険な見え方・原因・治療方法・予防方法などを詳しくご紹介します。

※この記事はMedical DOCにて『「飛蚊症」の危険な見え方・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

飛蚊症の治療

医師と患者

検査方法を教えてください。

飛蚊症の原因を調べるためには「眼底検査」を行う必要があります。眼底検査では、硝子体の状態や網膜の状態を確認し、詳しい原因を調べます。眼底検査は、瞳孔を散大するための点眼薬を用いて行われることが一般的です。
瞳孔を散大すると視界がぼやけてみえにくくなるため、自分で車を運転して受診することは控えるようにしてください。
また、炎症が原因と考えられる際には、眼底検査に加え、蛍光眼底造影検査・血液検査・レントゲン検査・CT検査などを行うこともあります。検査に時間を要することがあるため、時間に余裕を持って受診するのがおすすめです。

治療方法を教えてください。

飛蚊症の治療方法は、原因や症状の程度によって異なります。例えば、飛蚊症が生まれつきのものであれば、基本的に治療は行いません。
加齢による硝子体の縮小で網膜に負担がかかり、網膜裂孔や網膜円孔を起こしている場合には、手術の適用となるでしょう。
その他、糖尿病や高血圧症などの基礎疾患により硝子体出血を起こした場合には、基本的に吸収されるのを待つことが一般的です。吸収されることなく血が溜まってしまっているような場合には、レーザー治療や手術を行うこともあります。
さらに、細菌やウイルス感染による炎症の場合、炎症を抑えるためのステロイド点眼薬を使用します。炎症が強い場合には、免疫抑制剤を適用することもあるでしょう。早期に治療を開始しなかった場合、視力が低下したまま元に戻らなくなる可能性があるため注意してください。

市販の目薬は使用できますか?

一般的に、飛蚊症に対して市販の目薬は有効ではありません。飛蚊症は眼球表面に付着したゴミなどが原因で起こるわけではなく、硝子体の内に存在する何らかの物体が視界に映り込んでいるために生じる症状です。したがって、目薬で症状を改善することはできません。
ただし、目が疲れたり乾燥したりしている場合には、市販の目薬を使用することで症状を軽減できるでしょう。また、目の疲れを軽減するためには、適切な休息を取ることやパソコンやスマートフォンの使用時間を減らすことも有効です。
なお、市販の目薬を使用する場合でも、使用方法や用量は必ず守るようにしてください。また、症状がなかなか改善しなかったり悪化したりする場合には、眼科医の診察を受けることが重要です。

編集部まとめ

メガネ
視界にいくつかの粒や線状の物体が見える「飛蚊症」は、生まれつき硝子体に浮遊物があることが原因で引き起こされることもあります。

しかし、加齢により硝子体が網膜から解離してしまうことや炎症が原因の場合、視力が低下し、元に戻らなくなってしまうこともあるため注意が必要です。

飛蚊症と一言でいっても原因は様々なため、早期発見ができれば適切な治療により視力の低下や視野の欠損を防ぐことも可能です。
気になる症状があれば、眼科を受診しておくようにしましょう。

この記事の監修医師