「脂質異常症」の原因・症状はご存知ですか?医師が監修!
公開日:2025/01/22
脂質異常症とは、脂質の中でも特に悪玉コレステロールや中性脂肪が多い状態を指します。
コレステロールや中性脂肪は、本来であれば身体の健康に欠かせない重要な物質です。
しかし、多すぎると動脈硬化を引き起こすなどの悪影響を及ぼす可能性があり、脂質異常症は決して軽視できない病気です。
今回は、脂質異常症について詳しく解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「脂質異常症」の原因・食事の注意点はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
脂質異常症とは
脂質異常症とはどのような病気でしょうか?
脂質異常症とは、血液中の脂質が増えすぎて血液がドロドロな状態になる病気です。脂質の中には、コレステロール・リン脂質・中性脂肪・遊離脂肪酸の4種類があります。
どれも身体に欠かせない重要な物質です。コレステロールは細胞膜を構成したり、ホルモン・胆汁の原料になったりします。中性脂肪は体温を保持したり、クッションの役割をしたり、エネルギーを貯蔵したりするものです。
脂質異常症は、そのコレステロールと中性脂肪が異常に多い状態を指します。通常、血液中の脂質は一定の量に保たれるようにバランスが取られているものです。しかし、食事から摂取される脂質の量が多かったり、身体の中で上手に脂質を処理できなくなったりすると基準値から大きく外れた状態になってしまいます。
どれも身体に欠かせない重要な物質です。コレステロールは細胞膜を構成したり、ホルモン・胆汁の原料になったりします。中性脂肪は体温を保持したり、クッションの役割をしたり、エネルギーを貯蔵したりするものです。
脂質異常症は、そのコレステロールと中性脂肪が異常に多い状態を指します。通常、血液中の脂質は一定の量に保たれるようにバランスが取られているものです。しかし、食事から摂取される脂質の量が多かったり、身体の中で上手に脂質を処理できなくなったりすると基準値から大きく外れた状態になってしまいます。
高脂血症との違いを教えてください。
高脂血症は、脂質異常症の旧称です。2007年にガイドラインが改訂されたのに伴い、名称も高脂血症から脂質異常症へと変更されました。
この理由としては、コレステロールが高い方の中には悪玉コレステロールは正常なのにもかかわらず、善玉コレステロールが低いケースがあることが挙げられます。
この場合を高脂血症と呼ぶのは不適切であると判断され、脂質異常症へと名称変更されました。
この理由としては、コレステロールが高い方の中には悪玉コレステロールは正常なのにもかかわらず、善玉コレステロールが低いケースがあることが挙げられます。
この場合を高脂血症と呼ぶのは不適切であると判断され、脂質異常症へと名称変更されました。
どのような症状がみられますか?
症状はほとんどありません。一部ではコレステロールが沈着することでできる白い隆起物が、手の甲・瞼・ひじ・膝などに見られます。脂質異常症は自覚症状がないため非常に厄介です。知らず知らずのうちに血液がドロドロになり、動脈硬化を引き起こしてしまうケースも少なくありません。
他にも狭心症・心筋梗塞・脳出血・脳梗塞のリスクを高めることもあり、放置するべきではない病気といえます。しかし、自覚症状がないので危機意識が芽生えづらく、そのままにしてしまいやすいのが脂質異常症の問題です。
他にも狭心症・心筋梗塞・脳出血・脳梗塞のリスクを高めることもあり、放置するべきではない病気といえます。しかし、自覚症状がないので危機意識が芽生えづらく、そのままにしてしまいやすいのが脂質異常症の問題です。
原因を教えてください。
主な原因は生活習慣です。主に食事面と運動面において指摘できます。例えば食べ過ぎ・アルコールの飲み過ぎ・運動不足といった不健康な状態は発症リスクを高めやすいです。
また、動物性食品を多く配合した高カロリーな食事も原因になります。少数ではありますが、上記に当てはまるような項目がなくても遺伝によって脂質異常症を発症することもあります。
他にも甲状腺機能低下症・肝臓病・糖尿病・高血圧といった他の病気が因子になるリスクもあるため、予防が非常に大切です。
また、動物性食品を多く配合した高カロリーな食事も原因になります。少数ではありますが、上記に当てはまるような項目がなくても遺伝によって脂質異常症を発症することもあります。
他にも甲状腺機能低下症・肝臓病・糖尿病・高血圧といった他の病気が因子になるリスクもあるため、予防が非常に大切です。
編集部まとめ
脂質異常症は生活習慣と深い関わりのある病気のため、長期的な自己管理が求められます。改善していくためには我慢を強いられることが多いかもしれません。
しかし、放置していれば動脈硬化・狭心症・心筋梗塞・脳出血・脳梗塞のリスクを高めることがわかっています。今後の健康のためにも、放置してはおけません。
自覚症状がないのでなかなか実感が湧きにくいですが、重篤な病気を発症する可能性があることを忘れず、早期発見・早期治療を心がけるようにしましょう。