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「甲状腺機能亢進症」の検査・治療法はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/01/26

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンの過剰分泌によって自律神経が乱れ、様々な症状を引き起こすものです。

子供から高齢者まで様々な方が発症しますが、男性に比べて女性の患者が多いといわれます。

若い女性が甲状腺機能亢進症になってしまうと、妊娠・出産といった体の変化と薬・手術といった治療を両立させていかなくてはいけません。

また、甲状腺機能亢進症の症状は非常に気づきにくいため、相談できずに辛い症状に悩んでいる方が多くいます。

今回はそのような甲状腺機能亢進症の検査・治療方法を解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「甲状腺機能亢進症」の初期症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

甲状腺機能亢進症の検査と治療

カウンセリングをする男性

どのような検査を行うのでしょうか?

甲状腺機能亢進症の主な検査は血液検査エコー検査になります。血液検査では、血液中の甲状腺ホルモンの量を調べます。
例えば、バセドウ病の場合は血液中の甲状腺ホルモン(FT4)の濃度が高く、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の濃度が低くなっているのです。
エコー検査では、喉に機械を当てて甲状腺の状態を診ます。甲状腺の大きさを測定し、腫れや炎症がないかをチェックします。
このように、血液検査とエコー検査によって甲状腺機能亢進症かどうか判断するのです。

治療方法を教えてください。

甲状腺機能亢進症の主な治療方法は、薬物療法・手術・アイソトープ治療の3つがあります。
薬の服用や手術で甲状腺を切除することによって、甲状腺ホルモンの分泌を抑えるのです。
アイソトープ治療とは、放射線を放出するヨウ素を服用することによって、体の内側から甲状腺に放射線を当てる治療法です。
患者の多くが、薬の服用を続けながら症状を抑えて、場合によっては手術を行うという流れで治療しています。
このように、これら3つの方法を症状や患者の状況を考慮しながら選択します。

手術することもあるのでしょうか?

甲状腺機能亢進症の治療では、手術によって甲状腺を切除することもあります。しかし、ご自身が手術を希望しない場合は他の方法で治療を行う場合もあります。
また、薬剤やアイソトープの服用のみで改善を図る場合も多いです。手術のメリットは、症状を抑える確実性があること・再発が少ないことです。
その反面、デメリットは入院・麻酔が必要になること・手術跡が残ること・甲状腺機能低下症になる場合があること・手術可能な医師が限られることなどがあります。
このように、甲状腺機能亢進症の手術にはメリットとデメリットがあるため、状況に応じて見極める必要があります。

編集部まとめ

案内する看護師

ここまで、甲状腺機能亢進症の原因・バセドウ病との違い・症状・検査・治療方法・食べてはいけないものを紹介しました。

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンの過剰分泌によって自律神経が乱れ、様々な症状を引き起こすものです。

また、バセドウ病は甲状腺機能亢進症の中の1つで、自己免疫によるものだとわかりました。

エコーや血液検査での判定・患者の状況などを考慮し、薬剤・手術・アイソトープ治療の中から適切な治療を行います。

甲状腺機能亢進症は女性の患者が多いですが、子供から高齢者まで、どなたでもなる病気です。

気になる症状があれば、お近くの医療機関にご相談ください。

この記事の監修医師