「甲状腺機能亢進症」の検査・治療法はご存知ですか?【医師監修】
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンの過剰分泌によって自律神経が乱れ、様々な症状を引き起こすものです。
子供から高齢者まで様々な方が発症しますが、男性に比べて女性の患者が多いといわれます。
若い女性が甲状腺機能亢進症になってしまうと、妊娠・出産といった体の変化と薬・手術といった治療を両立させていかなくてはいけません。
また、甲状腺機能亢進症の症状は非常に気づきにくいため、相談できずに辛い症状に悩んでいる方が多くいます。
今回はそのような甲状腺機能亢進症の検査・治療方法を解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「甲状腺機能亢進症」の初期症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
甲状腺機能亢進症の検査と治療
どのような検査を行うのでしょうか?
例えば、バセドウ病の場合は血液中の甲状腺ホルモン(FT4)の濃度が高く、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の濃度が低くなっているのです。
エコー検査では、喉に機械を当てて甲状腺の状態を診ます。甲状腺の大きさを測定し、腫れや炎症がないかをチェックします。
このように、血液検査とエコー検査によって甲状腺機能亢進症かどうか判断するのです。
治療方法を教えてください。
薬の服用や手術で甲状腺を切除することによって、甲状腺ホルモンの分泌を抑えるのです。
アイソトープ治療とは、放射線を放出するヨウ素を服用することによって、体の内側から甲状腺に放射線を当てる治療法です。
患者の多くが、薬の服用を続けながら症状を抑えて、場合によっては手術を行うという流れで治療しています。
このように、これら3つの方法を症状や患者の状況を考慮しながら選択します。
手術することもあるのでしょうか?
また、薬剤やアイソトープの服用のみで改善を図る場合も多いです。手術のメリットは、症状を抑える確実性があること・再発が少ないことです。
その反面、デメリットは入院・麻酔が必要になること・手術跡が残ること・甲状腺機能低下症になる場合があること・手術可能な医師が限られることなどがあります。
このように、甲状腺機能亢進症の手術にはメリットとデメリットがあるため、状況に応じて見極める必要があります。
編集部まとめ
ここまで、甲状腺機能亢進症の原因・バセドウ病との違い・症状・検査・治療方法・食べてはいけないものを紹介しました。
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンの過剰分泌によって自律神経が乱れ、様々な症状を引き起こすものです。
また、バセドウ病は甲状腺機能亢進症の中の1つで、自己免疫によるものだとわかりました。
エコーや血液検査での判定・患者の状況などを考慮し、薬剤・手術・アイソトープ治療の中から適切な治療を行います。
甲状腺機能亢進症は女性の患者が多いですが、子供から高齢者まで、どなたでもなる病気です。
気になる症状があれば、お近くの医療機関にご相談ください。