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「偽痛風」になると現れる初期症状・原因はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/01/27

偽痛風とは、痛風と同じような関節炎を引き起こす病気であり、痛みや腫れなどの症状を発症することがあります。

似たような症状であるため、痛風と混同される方もいますが、全く異なる原因であり適切な治療が必要です。

痛風など他の病気としっかりと区別して、適切な治療を行うためにも、本記事では偽痛風の初期症状と原因を解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「偽痛風」になると現れる初期症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

偽痛風の初期症状と原因

医療

偽痛風はどんな病気なのでしょうか。

偽痛風とは、発作の症状などが痛風発作と似ていることから名づけられた病名です。しかし、実際には痛風とは異なる原因で発症します。痛風は、尿酸結晶による関節炎です。
血中の尿酸値が高い状態が続き、溶けきれなくなることで尿酸が結晶化し、関節などに蓄積することで痛風を引き起こします。そのため、高尿酸血症の状態が痛風であることのポイントです。
一方で偽痛風は、高尿酸血症の状態は見られません。また、病気にかかる年齢層なども異なります。痛風は中年男性が多いのに対して、偽痛風は加齢に伴って発症することが多く、この病気にかかる方は60~80歳の高齢者が中心で、男女差もないといわれています。
さらに、発症部位も痛風とは異なります。痛風の場合は、心臓から遠い足が主な患部ですが、偽痛風では膝・足首・手首・肘・肩・脊髄などの大きな関節が中心です。

初期症状について知りたいです。

この病気の初期症状としては、次のようなものが挙げられます。

  • 関節痛
  • 発熱
  • 腫れ
  • 発赤
  • 運動時の痛み

初期症状の1つが、関節のひどい痛みです。特に高齢者の変形した肩・手・膝・足などの大きな関節に多く発症します。この中でも特に多いのが膝関節であり、この病気の半数以上が膝関節です。
また、患部の炎症に伴って発熱がある点も主な症状です。腫れや発赤なども見られることがあります。運動時にも痛んだり、可動域が制限されているために関節を上手く動かせなくなるなどの症状が発生するケースもあります。

偽痛風の原因はなんですか?

この病気の原因は、関節内にピロリン酸カルシウムの結晶ができるためです。ピロリン酸カルシウムが関節に過剰に存在するため、結晶化して沈着してしまうのです。
ピロリン酸カルシウムが結晶化する理由ははっきりとは分かっていませんが、次のような方が発症しやすいといわれています。

  • 高齢の方
  • 手術など外傷のある方
  • 代謝性疾患を患ったことがある方

加齢に伴ってピロリン酸カルシウムが結晶化しやすいと考えられており、発症者には高齢者が多いです。また、手術などの外傷のある方や、痛風・低マグネシウム血症・副甲状腺機能亢進症などの代謝性疾患をきっかけに引き起こすことも多いです。
さらに、ピロリン酸カルシウムの結晶化は、遺伝的な要因も関係しているといわれています。

編集部まとめ

診察をする男性医師
偽痛風は、高齢の方が発症しやすく、痛み・発熱・腫れといった痛風と似た症状を伴う病気です。

しかし原因は全く異なるため、専門の医療機関を受診すれば、すぐにどの病気による症状なのかを見分けられるでしょう。

少しでも症状の疑いがある方や違和感を覚えている方は、我慢をせずに早めに受診して治療を始めましょう。治療が早ければ、治療期間も短く症状の早期改善が期待できます。

この記事の監修医師