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「口唇がん」の特徴やセルフチェック法はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/01/25

口唇がんは、唇にできるがんです。

まれながんですが、主に喫煙・飲酒・紫外線などが原因とされ、50~70代の男性に多く発症しています。

唇や粘膜の内側など目に見えるところにできるので発見しやすいのですが、初期においては痛みも無いことも多く、放置されて進行してしまうケースも少なくありません。

早期発見であれば治癒できる可能性が高いのですが、進行すると治癒が難しくなります。

そこで、今回は口唇がんのセルフチェック法などを詳しく解説いたします。

※この記事はMedical DOCにて『「口唇がん」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

小島 敬史

監修医師
小島 敬史(国立病院機構 栃木医療センター)

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慶應義塾大学医学部卒。医師、医学博士。専門は耳科、聴覚。大学病院および地域の基幹病院で耳鼻咽喉科医として15年以上勤務。2年間米国で基礎研究に従事の経験あり。耳鼻咽喉科一般の臨床に従事し、専門の耳科のみならず広く鼻科、喉頭、および頭頸部腫瘍疾患の診療を行っている。日本耳鼻咽喉科学会専門医、指導医。日本耳科学会、日本聴覚医学会、日本耳鼻咽喉科臨床学会の各種会員。補聴器適合判定医、補聴器相談医。

口唇がんの特徴やセルフチェックについて

ドクター

口唇がんの特徴を教えてください。

口唇がんの特徴は、目で見て、手でさわってわかるということです。初期の症状は、主に次のようなものです。

  • 赤や白への色の変化
  • ただれ・ざらつき
  • しこり・はれ

これらの初期症状は口唇がんだけの特徴ではないので、がんかどうかを見極めるのは困難です。ただの炎症だと思って放置していたら、実はがんだったということも珍しくありません。
たとえ症状が軽くても、なかなか良くならないという場合は、ためらわず専門の医療機関を受診することが大切です。一つの目安として、1ヶ月しても良くならない症状を感じた場合は受診を検討して下さい。

口唇がんを放置するリスクを教えてください。

がん細胞は増殖し、リンパの流れに乗って、他の組織に浸潤・転移するという性質を持っています。放置しておくと、がんの範囲が広まり、他の組織に転移するリスクが高まります。唇は生活・活動するうえで非常に大切なものなのです。治療が遅れれば治癒が難しくなり、手術でがんを取りのぞけたとしても、外観や機能が大きく損なわれます。
また、治療できたとしても再発のリスクが高まるのです。当然のことですが、ステージ(病期)が早いほど生存率や治癒率は高くなります。そのため、がんは早期発見・早期治療が非常に大切です。唇や口の中の異変がなかなか良くならない場合は、症状が軽くてもためらわず専門の医療機関を受診することが大切です。

口唇がんのセルフチェック方法を教えてください。

口唇がんは、目で見ることができ、舌や手で触ることができるので自分で見つけることができます。がんは唇だけにできるわけではなく、舌など口の中どこにでも発生する可能性があります。
そこで今回は唇だけでなく口の中全体をチェックする方法をご紹介いたしましょう。チェックする場所は、次のとおりです。

  • 唇の裏側
  • ほおの裏側
  • 舌の上下左右
  • 口の中の底の部分
  • 口の中の天井の部分
  • 歯肉のほお側
  • 歯肉の裏側

チェックする項目は次のとおりです。

  • 「はれ」「しこり」はないか
  • 周りより赤くなったり、白くなったりしていないか
  • 「ざらつき」「炎症」はないか
  • しびれ」「麻痺」はないか

どの症状も、なかなか治らない場合はさらに要注意です。舌をティッシュをまいた指で軽く引っ張ってみて、何か異常はないでしょうか。また、食べ物が飲みにくい・ほおや下の動きが悪いなどの症状はありませんか。
特に痛みがない場合でも、気になる症状があれば、遠慮せず専門の医療機関を受診することが大切です。

編集部まとめ

先生
口唇がんを含む口腔がんは、患部を直接見ることができるので早期発見しやすいがんです。

そして、初期のうちに発見できれば比較的簡単な治療ですみます。ところが、進行するまで放置されてしまうケースも少なくありません。

そうなると、治療できたとしても顔が変形したり食事や会話が困難になったりして、日常生活に大きな支障をきたすことになります。

そのため早期発見・早期治療が非常に大切です。

この記事の監修医師