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「口唇がん」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/01/22

口唇がんは、唇にできるがんです。

まれながんですが、主に喫煙・飲酒・紫外線などが原因とされ、50~70代の男性に多く発症しています。

唇や粘膜の内側など目に見えるところにできるので発見しやすいのですが、初期においては痛みも無いことも多く、放置されて進行してしまうケースも少なくありません。

早期発見であれば治癒できる可能性が高いのですが、進行すると治癒が難しくなります。

そこで、今回は口唇がんの症状・主な原因を詳しく解説いたします。

※この記事はMedical DOCにて『「口唇がん」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

小島 敬史

監修医師
小島 敬史(国立病院機構 栃木医療センター)

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慶應義塾大学医学部卒。医師、医学博士。専門は耳科、聴覚。大学病院および地域の基幹病院で耳鼻咽喉科医として15年以上勤務。2年間米国で基礎研究に従事の経験あり。耳鼻咽喉科一般の臨床に従事し、専門の耳科のみならず広く鼻科、喉頭、および頭頸部腫瘍疾患の診療を行っている。日本耳鼻咽喉科学会専門医、指導医。日本耳科学会、日本聴覚医学会、日本耳鼻咽喉科臨床学会の各種会員。補聴器適合判定医、補聴器相談医。

口唇がんの主な症状と原因

タバコを吸う人

口唇がんの主な症状を教えてください。

はじめは目立った症状がないことや、症状が軽度であることも多いです。唇があれる・ただれる・しこりができるといった粘膜の変化に加え、腫れる・出血する・しびれるといった症状が出ることがあります。これらの症状は内側の粘膜に出ることも少なくありません。
粘膜の部分が白くなる白板症という疾患がありますが、このうち約1割ががんになるという報告があります。口唇がんが頚部リンパ節に転移すると、しこりとして触れることがあります。潰瘍になっていたら、がんはだいぶ進行しており、さらに深い部分まで浸透していきます。自分で病変を確認できるがんですので、違和感や見た目の変化を感じたら早めに医療機関を受診してください。

口唇がんは口腔がんの1つなのでしょうか。

口唇(こうしん)がんは唇にできるがんで、口腔がんの一つです。口の中にできるがんを口腔(こうくう)がんといいます。
口腔がんはこの他に、舌がん・口底(こうてい)がん・歯肉(しにく)がん・頬粘膜(きょうねんまく)がん・硬口蓋(こうこうがい)がんなどがあります。口のように内部が空洞になっている臓器の内側の粘膜組織のことを重曹扁平上皮といいます。口腔がんの約90%がこの粘膜組織から発生する扁平上皮がんです。

口唇がんの原因について知りたいです。

発症リスクを高める主な要因として考えられているものは次の3つです。

  • 喫煙
  • 飲酒
  • 紫外線

たばこの煙の中には多くの発がん性物質が含まれます。これらの発がん物質は細胞の中にあるDNAの損傷を引き起こし、がんの発生メカニズムの様々な段階に作用すると考えられています。喫煙年数が長いほど、また1日の喫煙本数が多いほど、がんになりやすい傾向が大きいです。飲酒で体に取り込まれるエタノールが分解されてアセトアルデヒドになり、これががんの発生にかかわると考えられています。また飲酒と喫煙は、相乗的にがんの危険性を高めるという報告もあります。
紫外線は皮膚の細胞の中にあるDNAを傷つけますが、通常は修復されることが多いです。この修復がうまくできないときがあり、正常でなくなった細胞ががんの原因になるのです。

編集部まとめ

先生
口唇がんを含む口腔がんは、患部を直接見ることができるので早期発見しやすいがんです。

そして、初期のうちに発見できれば比較的簡単な治療ですみます。ところが、進行するまで放置されてしまうケースも少なくありません。

そうなると、治療できたとしても顔が変形したり食事や会話が困難になったりして、日常生活に大きな支障をきたすことになります。

そのため早期発見・早期治療が非常に大切です。

この記事の監修医師