「口唇がん」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?【医師監修】
口唇がんは、唇にできるがんです。
まれながんですが、主に喫煙・飲酒・紫外線などが原因とされ、50~70代の男性に多く発症しています。
唇や粘膜の内側など目に見えるところにできるので発見しやすいのですが、初期においては痛みも無いことも多く、放置されて進行してしまうケースも少なくありません。
早期発見であれば治癒できる可能性が高いのですが、進行すると治癒が難しくなります。
そこで、今回は口唇がんの症状・主な原因を詳しく解説いたします。
※この記事はMedical DOCにて『「口唇がん」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
小島 敬史(国立病院機構 栃木医療センター)
口唇がんの主な症状と原因
口唇がんの主な症状を教えてください。
粘膜の部分が白くなる白板症という疾患がありますが、このうち約1割ががんになるという報告があります。口唇がんが頚部リンパ節に転移すると、しこりとして触れることがあります。潰瘍になっていたら、がんはだいぶ進行しており、さらに深い部分まで浸透していきます。自分で病変を確認できるがんですので、違和感や見た目の変化を感じたら早めに医療機関を受診してください。
口唇がんは口腔がんの1つなのでしょうか。
口腔がんはこの他に、舌がん・口底(こうてい)がん・歯肉(しにく)がん・頬粘膜(きょうねんまく)がん・硬口蓋(こうこうがい)がんなどがあります。口のように内部が空洞になっている臓器の内側の粘膜組織のことを重曹扁平上皮といいます。口腔がんの約90%がこの粘膜組織から発生する扁平上皮がんです。
口唇がんの原因について知りたいです。
- 喫煙
- 飲酒
- 紫外線
たばこの煙の中には多くの発がん性物質が含まれます。これらの発がん物質は細胞の中にあるDNAの損傷を引き起こし、がんの発生メカニズムの様々な段階に作用すると考えられています。喫煙年数が長いほど、また1日の喫煙本数が多いほど、がんになりやすい傾向が大きいです。飲酒で体に取り込まれるエタノールが分解されてアセトアルデヒドになり、これががんの発生にかかわると考えられています。また飲酒と喫煙は、相乗的にがんの危険性を高めるという報告もあります。
紫外線は皮膚の細胞の中にあるDNAを傷つけますが、通常は修復されることが多いです。この修復がうまくできないときがあり、正常でなくなった細胞ががんの原因になるのです。
編集部まとめ
口唇がんを含む口腔がんは、患部を直接見ることができるので早期発見しやすいがんです。
そして、初期のうちに発見できれば比較的簡単な治療ですみます。ところが、進行するまで放置されてしまうケースも少なくありません。
そうなると、治療できたとしても顔が変形したり食事や会話が困難になったりして、日常生活に大きな支障をきたすことになります。
そのため早期発見・早期治療が非常に大切です。