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「上咽頭がん」を疑う初期症状・原因はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/01/24

上咽頭がんとは、鼻の奥から食道の入り口までの部位を指す上咽頭に発生するがんのことをいいます。初期症状が強いものではないため、早期発見が難しい病気です。

しかし、発見が遅れると完治が難しくなってしまう可能性があります。そのため、病気についての知識を身につけ、早期発見・早期治療・予防に取り組むことが大切です。

本記事では、上咽頭がんの症状や原因などの知識を紹介しています。ぜひ参考にして、病気の治療や予防に役立ててください。

※この記事はMedical DOCにて『「上咽頭がん」を疑う初期症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

上咽頭がんとはどのような病気?

女性

上咽頭がんとはどのような病気か教えてください

上咽頭がんとは、上咽頭にできる悪性腫瘍のことです。上咽頭は鼻の奥から食道の入り口までの部位を指します。咽頭部は上の部位から上咽頭・中咽頭・下咽頭の3つに分けられており、上咽頭に悪性腫瘍ができると上咽頭がんと呼ばれます。この病気は転移しやすいことが特徴です。首のリンパ節への転移や、遠隔転移がみられることがあります。

上咽頭がんの初期症状を教えてください

上咽頭がんは、初期は強い自覚症状がみられないことがあります。初期症状として表れるのは、喉の違和感や痛みなどです。耳や鼻に症状がみられることもあります。
耳の症状として表れるのは、耳のつまり感・聞こえにくさなどです。これは、上咽頭が耳管という耳につながる管が腫瘍で塞がれることによって生じる症状です。鼻の症状としては、鼻血・鼻づまりなどが挙げられます。ただし、これらの症状は上咽頭がん以外の病気の症状としてもみられるため、がんの発見が遅れる可能性があります。症状が続いて不安な場合は、早めに医療機関を受診すると良いでしょう。病状が進行してがんが転移することで症状が表れ、病気が発覚するケースもあります。リンパ節への転移があると首に腫れやしこりが確認されるため、触診での発見が可能です。
また、脳神経に障害が生じるケースもあります。その場合、物が二重に見えるなどの視覚的な症状や、飲み込みにくさなどの症状が表れます。

上咽頭がんの主な原因はなんですか?

上咽頭がんの主な原因となるのは、喫煙と飲酒です。過度な喫煙・飲酒は悪性腫瘍の発生リスクを高めるといわれています。また、ヘルペスウイルスの一種であるEB(エプスタイン・バー)ウイルスに感染すると発症の確率が高くなります。この病気の多発地域は、中国東南部や台湾などです。日本での発症数は比較的少なく、顔から首の範囲に発生する悪性腫瘍である頭頚部がんの中ではあまりみられない病気になります。

上咽頭がんの生存率を教えてください

上咽頭がんは初期症状があまりなく、早期発見することが難しいです。そのため、病気が進行してから発覚するケースがあります。病気は早期発見し、早期に治療を行うほど生存率が高くなります。早期発見の場合、5年生存率は76.9%です。しかし、病気がすでに進行していた場合、5年生存率は63.2%にまで下がります。生存率を少しでも高くするためには、病気の早期発見・早期治療が重要です。

編集部まとめ

女性ドクター
上咽頭がんは、子供の成長に伴って誰しも起こる病気です。男児に多いですが、過度な運動が原因であるため、女児も十分可能性があります。

上咽頭がんは、上咽頭にできる悪性腫瘍です。EBウイルスの感染や、喫煙・飲酒などの生活習慣によって引き起こされます。

初期症状として鼻づまりなどの鼻の症状や、耳の違和感などの耳の症状が表れます。しかし、自覚症状がみられず、発見が遅れてしまうケースも多いです。

早期発見をすることで、病気のスムーズな治療が期待できます。定期健診を行い、初期症状がみられない場合でも早期発見できるようにしましょう。

また、病気の予防をすることも大切です。過度の喫煙やアルコールは、病気発症のリスクを高めます。

予防のために生活習慣を整え、喫煙・飲酒は控えるようにしましょう。気になることがあれば、早めに医師に相談するようにしてください。

この記事の監修医師