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「学習障害」は何歳くらいでわかる?症状についても解説!【医師監修】

 公開日:2025/03/24
学習障害とは?

学習障害は、広汎性発達障害(こうはんせいはったつしょうがい)と呼ばれる発達障害の一種です。

読み書きや、聞く・話す・計算するなどの学習において必要な基礎となる能力が難しかったり、またはうまく表現できないなどの症状のことをいいます。

ここでは、学習障害について具体的な症状や特徴、遺伝するのか大人でも学習障害が起きるかなどを紹介していきます。

伊藤 有毅

監修医師
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)

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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医

※この記事はMedical DOCにて『「学習障害」の特徴・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

学習障害とは?

子供

学習障害とはどのような症状でしょうか?

学習障害は、「読む」「書く」「計算する」「話す」「聞く」「推論する」など空間関係の学習に必要なスキルにおいて、困難を経験することを指します。
具体的には、記憶力の欠如、注意力の不足、理解力の低下などが含まれます。学習障害は、診断や治療によって改善することができますが、生涯にわたって焦らずじっくり向き合っていくことが必要です。

子供の場合、どのような特徴がみられますか?

子供の場合、学習障害の特徴は「読み書きや数学の能力」において、以下のようなものがあります。

  • 読み書きや計算の能力が遅れている。
  • 読み書きや計算に興味を持たない。
  • また、「読み書きや数学の作業中」においての特徴は以下の通りです。

  • 疲れやすい。
  • 不安やストレスを感じる。
  • 混乱しやすい。
  • 手足が震える。
  • 注意力を維持できない。
  • 目をこすったり、頻繁に視線が他を見る(作業に集中できない)。

ただし、それらの特徴が見られるからと言って必ず学習障害であるとは限りません。学習障害か否かはお子さんのご家族だけで判断せず、専門家による検査で正確な診断を受けましょう。

学習障害は何歳くらいでわかりますか?

学習障害は子どもが学校に通い始める頃で具体的には、小学校低学年から中学校までのころに発症が多いです。ただし学習障害は幼児期から発症することもありますので、学習障害を疑いがある場合は、早めに専門家に相談するようにしましょう。
専門家は、その子に合った適切な診断と支援方法を提供してくれます。

学習障害は遺伝するのでしょうか?

学習障害は、複数の因子が絡み合って起きる遺伝的要因も関係しています。研究によると学習障害は、特に読み書きや数学などが困難であるため遺伝的要因が大きく影響しているのです。
しかし、遺伝的要因だけで学習障害が引き起こされることはありません。あくまで要因の一つであるということです。環境的要因や脳の発達の遅れなども、学習障害を引き起こす原因となります。
遺伝的要因があっても適切な支援を受けることで、学習障害を克服できる場合もあります。

大人が学習障害を発症することはありますか?

大人が学習障害を発症することはあります。
しかし大人になってからの発症ではなく、多くは幼児期に発症し大人になってから学習障害が発覚することもあるのです。これは学校時代には特に勉強や生活全般において問題がなかったのに、社会に出て仕事や日常生活を送る中で、なぜか「苦手なことが増えた」ということに気づくことがあるからです。
大人が学習障害を発症する場合の特徴を見てみましょう。

  • 難しい文章を読んで理解するのに苦労する
  • 書類や手紙の書き方に困難を感じる
  • 数字や計算に難しさを感じる
  • 時間や空間の関係を理解するのに苦労する
  • 記憶力が低下している
  • 注意力が維持できない

大人の場合は学習障害が発覚した場合でも、診断や治療によって改善することが可能ですので、前向きに頑張っていきましょう。

編集部まとめ

うさぎ
今回は学習障害について診断や治療方法、そして学習障害のさまざまな支援を紹介いたしました。

学習障害と診断を受けるとそれが子供の問題であった場合、「自分の教育に問題があったか」と思う親御さんもいらっしゃいます。

しかし学習障害はあくまで能力の成長度合いの異なるものなので、良い所は伸ばしていくことも可能です。

障害ではなく個性として受け止めてあげることが、もっとも改善につながる近道になると考え、お子さんと一緒に頑張ってください。

この記事の監修医師

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