「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」を発症するとどんな薬を使用する?
公開日:2025/03/15

日常生活の中で、集中力がない・失敗が多い・人間関係でトラブルを起こしやすいなどの困りごとを抱えていませんか。
このような悩みを調べた際に、注意欠陥・多動性障害(ADHD)に行きついた人も少なからずいらっしゃるでしょう。
最近よく耳にする注意欠陥・多動性障害(ADHD)という障害は一体どのようなものなのでしょうか。
今回は注意欠陥・多動性障害(ADHD)の何科に受診・診断基準・治療方法などについて詳しく解説いたします。

監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
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保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
※この記事はMedical DOCにて『「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」の症状・原因・受診の目安はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
目次 -INDEX-
注意欠陥・多動性障害(ADHD)の診断と治療
注意欠陥・多動性障害(ADHD)は何科を受診すればよいですか?
注意欠陥・多動性障害(ADHD)が疑われる場合には、大人であれば精神科、子供であれば小児科で受診します。しかし、注意欠陥・多動性障害(ADHD)は専門医による診断や治療が必要なため、受診する際には発達障害に関する専門医がいる病院を選ぶことをおすすめします。
発達外来のある精神科または小児科が望ましいです。また、年齢や症状によっては対応できない場合もあるため、受診前に直接病院へ問い合わせるとよいでしょう。
発達外来のある精神科または小児科が望ましいです。また、年齢や症状によっては対応できない場合もあるため、受診前に直接病院へ問い合わせるとよいでしょう。
どのように診断されますか?
注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、世界保健機関(WHO)が定めるICDやアメリカ精神医学会が定めるDSMの診断基準に則って診断されます。障害の程度は軽度・中等度・重度に分かれ、症状の期間・程度・日常生活への影響などから判断します。
また、注意欠陥・多動性障害(ADHD)は自閉スペクトラム症など他の障害と特性が似ている部分があるため、それらの疾患との鑑別も行う必要があるのです。加えて、年代によって症状の表れ方が異なるため、注意欠陥・多動性障害(ADHD)は専門医による検査やヒアリングを重ねて慎重に診断を下します。
また、注意欠陥・多動性障害(ADHD)は自閉スペクトラム症など他の障害と特性が似ている部分があるため、それらの疾患との鑑別も行う必要があるのです。加えて、年代によって症状の表れ方が異なるため、注意欠陥・多動性障害(ADHD)は専門医による検査やヒアリングを重ねて慎重に診断を下します。
治療方法を教えてください。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)には療育・心理療法・薬物療法などの治療があります。療育では日常生活や学習面などのスキルアップを目的とし、カウンセリングや教育相談に基づき、困りごとに対する生活動作訓練(リハビリ)が行われるケースもあります。
不安や興奮など感情の高ぶりが目立つ場合には、心理療法でアプローチすると効果が期待できるでしょう。感情や行動を上手くコントロールできるよう、家族の関わり方や物事の受け止め方を改善するのです。
また、注意力や運動のコントロールを改善するために、薬物療法が行われる場合もあります。注意欠陥・多動性障害(ADHD)は病気ではなく生まれ持った特性であるため、治療は根治ではなく、困りごとを軽減し自信を持って社会生活を送れるようサポートするためのものです。そのため、治療は長期間にわたり継続することが重要となります。
不安や興奮など感情の高ぶりが目立つ場合には、心理療法でアプローチすると効果が期待できるでしょう。感情や行動を上手くコントロールできるよう、家族の関わり方や物事の受け止め方を改善するのです。
また、注意力や運動のコントロールを改善するために、薬物療法が行われる場合もあります。注意欠陥・多動性障害(ADHD)は病気ではなく生まれ持った特性であるため、治療は根治ではなく、困りごとを軽減し自信を持って社会生活を送れるようサポートするためのものです。そのため、治療は長期間にわたり継続することが重要となります。
どのような薬が使用されますか?
注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療に用いられる薬には、主にコンサータやストラテラなど神経伝達物質を増やすための薬と、インチュニブなどアドレナリンの受容体を抑制する薬の2種類があります。神経伝達物質を増やすことで運動や注意力のコントロールを改善し、アドレナリンを抑制することで過剰な感情の高ぶりなどを落ち着かせるのです。
特性の程度に合わせてこれらの薬を組み合わせたり量を調整したりしながら困りごとの軽減を目指します。薬物療法だけで注意欠陥・多動性障害(ADHD)を根治させることは難しいため、心理療法や療育を組み合わせることが一般的です。
特性の程度に合わせてこれらの薬を組み合わせたり量を調整したりしながら困りごとの軽減を目指します。薬物療法だけで注意欠陥・多動性障害(ADHD)を根治させることは難しいため、心理療法や療育を組み合わせることが一般的です。
編集部まとめ
子供から大人まで幅広い年代にみられる注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、注意力や運動のコントロールの難しさから、学校・職場・人間関係など日常生活に支障をきたします。
時にはそれらの困りごとが原因で、自己評価が低くなり不安やうつなど心理的な問題を引き起こすケースもあるのです。
療育・心理療法・薬物療法などを継続的に取り入れながら、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の特性をコントロールし、生活の質の向上を目指すことが大切です。
日常での困りごとから生き辛さを感じる場合には、我慢せずに専門のクリニックや病院などで相談しましょう。