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「発達障害」の治療と対策はご存知ですか?診断された場合の注意点も解説!

 公開日:2024/06/28

最近ではよく耳にするようになった発達障害ですが、発達途中のお子さんを持つ親御さんなら気になるところではないでしょうか?

また大人の発達障害ということもよく聞くようになりました。
生きづらいと感じていたら発達障害だったと大人になってから診断される方も増えてきています。

また、仕事などで一緒に働く部下とのコミュニケーションに困っている上司の方や同僚の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、そのような発達障害について特徴から症状、治療と対策まで詳しくご紹介します。
お子さんの発達・ご自身の感じる生きづらさ・身の回りの方についてなど心当たりのある方はぜひ参考にしてみてください。

※この記事はMedical DOCにて『「発達障害」の兆候となる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

プロフィールをもっと見る
徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

発達障害の治療と対策

障害者手帳

治療方法はありますか?

発達障害は早期に発見し、その障害に合わせた療育を受けることで、社会に馴染みやすくなるでしょう。発達障害の治療には大きく3つの方法があります。

  • 心理療法
  • 行動療法
  • 薬物療法

それぞれの障害で見ていきます。

  • 自閉症スペクトラム障害(ASD)
    心理・行動療法:専門の施設や専門家の指導の基、家族カウンセリングを行い、家庭・学校・職場などの環境を調整し見直します。また社会生活が正常に送れるように刺激し発達を促したり、異常に強いこだわりを減らすための療育を行うことで予後が良くなることが明らかになっています。
    薬物療法:治癒する薬はありません。睡眠や行動の問題が著しく出ている場合、てんかんや精神的な不調に対して薬物療法を併用することもあります。
  • 注意欠如・多動性(ADHD)
    心理・行動療法:患者本人と家族へそれぞれトレーニングをしていきます。トレーニングは患者本人の年代によって変わり、本人には社会生活を円滑に送るためのトレーニングを行います。家族へは声かけ方法などのペアレントトレーニングを行なっていきます。
    薬物療法:環境調整や行動からの療育を行っても日常生活での生きづらさが続くようであれば薬物療法を併用します。薬物療法は二次障害を予防するために使用されます。
  • 学習障害(LD)
    学習障害には教育的な支援が重要になり、その人が何に困難を感じるのかを把握し、適切な支援・学習方法を見つけることが大切です。

どのような対策を行えば良いでしょうか?

どのような対策を行うかは、障害によって違うというよりも、障害を持っている本人の症状や環境によって異なります。
医師や臨床心理士、理学療法士などの専門の方の指導に従って、その人に合った対策を見つけてください。
ですがどの障害も支える周りの家族などの支援がかなり重要になります。

診断された場合に注意することを教えてください。

上記にも紹介していますが、どの障害も周りでサポートする人の存在と理解がかなり重要です。
家庭では家族・学校では先生やクラスメイト・社会では上司や同僚などです。
発達障害であること・どのような症状で得意・不得意は何なのかを理解してもらうことで社会生活が送りやすくなるでしょう。
また、障害をもっている人に合わせた治療・療育を受けることによって予後が良くなっている症例は多くあります。
今はインターネットなどに沢山の情報が溢れています。
そういった情報に振り回されずに、医師から自分に合わせた治療方法をよく聞き、実行することが何よりも解決の近道です。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

発達障害は見た目では、分かりにくい障害です。
発達障害の特徴を性格だと思われていたり、自分でも性格だと思い込んでいたりして「なぜ私は…できないの?」と自己否定をしていませんか?それは脳の障害かもしれません。
今回この記事を読み、少しでも当てはまることがあるかもしれないと感じた方は、医療機関の受診をおすすめします。
少しでも現在感じている「生きづらさ」が和らぐことを願っております。

編集部まとめ

木彫りの動物たち
発達障害の症状は、一見その人個人の性格にも感じてしまいます。それは本人にもそうですし、周りの人達から見ても「変わった人」と思われてしまいます。

それにより知らず知らずの内に自分自身を追い込んでしまう、発達障害を持つ子どもの親であれば「なぜ…この子はこうなんだろう?」と追い込んでしまいがちです。

そのような時に「発達障害」や「発達障害の傾向がある」ということが分かれば、自分や子どもが周りの人と違うのは、障害があるからなんだと生きづらさから解放されるのではないでしょうか?

今回の記事で、少しでも生きづらいと感じていることが和らぐお手伝いができていれば嬉しいです。

この記事の監修医師