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「血栓症」の原因や血栓ができやすい人の特徴はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2024/09/12

血の塊が血管内を塞いでしまう血栓症は、発症部位によってさまざまな病気が引き起こされます。ときには命を脅かすことでも知られ、不安に感じている方も少なくないでしょう。

突然発症するため、予防に努めることが重要になります。そのためにも血栓症について基本的なことを知っておくことが大切です

この記事では、血栓症の種類・原因・症状・できやすい人の特徴・治療方法・予防方法まで詳しく解説いたします。ぜひ参考にしてください。

※この記事はMedical DOCにて『「血栓症」を発症すると現れる初期症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

血栓症の種類と症状

胸を押さえる男性

血栓症とはどのような病気でしょうか?

血栓症とは、血の塊が血管内をふさいで血流が止まってしまう病気です。この血の塊のことを血栓と呼びます。血栓ができて血の流れが止まってしまうとさまざまな病気が引き起こされ、その部位によっては命にかかわることも珍しくありません。前触れがなく突然発症する・治療しても障害が残るケースもある・再発する場合も多いなどの特徴があります。
自力で発症を予測することは難しいものの、血液検査や生活習慣などからリスクの有無を多少は予測できる場合もあるでしょう。発症の前触れはないため、予防が何よりも大切な病気です。

血栓症には種類があると聞きましたが…。

血栓症は、動脈血栓症静脈血栓症の2種類に大きく分けられます。それぞれに引き起こされる代表的な病気・原因が異なります。動脈血栓症が引き起こす代表的な病気は、心筋梗塞・脳梗塞・末梢動脈血栓症です。
血流が速い部位で起こります。一方、静脈血栓症が引き起こす代表的な病気は、深部静脈血栓症・肺塞栓(エコノミークラス症候群)などです。動脈血栓症とは反対に、血流の遅い部位で起こります。

発症する原因を教えてください。

血管内に血の塊ができ、詰まってしまうと血栓症が発症します。血の塊、つまり血栓ができてしまう原因はさまざまで、動脈血栓症・静脈血栓症でそれぞれ異なります。動脈血栓症の主な原因は糖尿病・高血圧・脂質異常などによる動脈硬化症の他、不整脈・血管炎・弁膜症などです。
血液がドロドロになったり、血管壁に異常があったりすると血栓ができやすくなります。脱水症状による血栓症も多く認められる動脈血栓症の1つです。
一方、静脈血栓症の主な原因には長時間座っていることによる下肢の圧迫・ギプスでの固定・心疾患・妊娠・肥満などが挙げられます。血液や血管の状態に加え、血流の悪さも大きく関連しています。

どのような症状がみられますか?

発症する部位によって病名が変わりますが、どれも前触れとなる症状はありません。発症して初めてわかるため、発症部位によって現れる症状にも差があります。

  • 脳梗塞:手足のしびれ・しゃべりにくさ
  • 心筋梗塞:胸の痛み・呼吸困難
  • 肺塞栓:胸の痛み・呼吸困難
  • 深部静脈血栓症:片足の急激な腫れ・痛み

上記は一例ではありますが、このような症状が現れた場合、すでに発症している可能性が極めて高いです。ただちに医療機関を受診しましょう。

血栓ができやすい人の特徴を教えてください。

血栓ができやすい条件として、血液や血管の状態の悪さ・血流の悪さが重要な要素といえます。

  • 75歳以上
  • 家族が血栓症になった
  • 心臓・肺・腎臓などに持病がある
  • 生活習慣病を持っている
  • がん治療を受けている
  • 喫煙をしている
  • ピルを服用している
  • 運動量が少ない
  • 座りっぱなしの時間が長い
  • 飛行機・高速バスなどの長距離移動が多い

上記はあくまでも一例です。しかし、血液がドロドロになる・血管がボロボロになる・血流が滞りやすい…などの条件が揃いやすいため、血栓症のリスクが高いといえるでしょう。

編集部まとめ

女性
血栓症について、種類・原因・症状・できやすい人の特徴・治療方法・予防方法などをご紹介しました。

もし発症したときは、放置してしまうと発症部位にかかわらずとても危険です。血栓症が疑われる症状がみられた際は速やかに医療機関を受診しましょう。

発症してしまうと恐ろしい病気ではありますが、血栓ができやすくなる原因を知ることで予防にも役立てることが可能です。

適切な水分補給・適度な運動など、日常的な小さな積み重ねで未来の健康を守りましょう。

この記事の監修医師