【この時期注意】「暖房病」の対策はご存知ですか?職場の対策も解説!医師が監修!
寒い時期になりやすい病気として暖房病があります。暑い時期の冷房病は聞いたことがあり、同様の症状と思う方も多いかもしれません。
しかし、原因や細かい症状は全く異なります。勘違いしたままでは、思わぬ体調不調を招く可能性もあるでしょう。
そこで本記事では、暖房病についてご紹介します。症状・原因・病院へ行く目安・受診する科・暖房病の対策なども詳しく解説するので参考にしてください。
※この記事はMedical DOCにて『「暖房病」になると現れる症状・対策はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
暖房病の対策
暖房病の対策を教えてください。
- こまめな水分補給
- 水分量の多い食事
- 湿度を保つ
隠れ脱水により暖房病の症状が表れるため、脱水症状にならないようにこまめな水分補給が非常に大切です。喉の渇きを感じた段階では、軽度の脱水症状が起こっている可能性があります。
そのため、喉の渇きを感じていない場合でも、こまめに水分補給を行うことが非常に大切です。特に、高齢者の場合には喉の渇きを感じる機能が低下していることも珍しくありません。脱水症状になりやすい傾向があるため、こまめに水分を摂るようにしましょう。大まかな目安として、高齢者の場合は1日あたり1.2Lの水分を飲む必要があると考えられています。
また高齢者でない場合でも、健康のためには現在飲んでいる水分に加えて、さらにコップ2杯分の水を飲んだ方が良いといわれています。この目安をもとに、水分を定期的に補給することが非常に大切です。また、水分量の多い食事も重要です。
特に高齢者の場合は、1日に必要な水分を全て飲み物から補給するのは難しいと考えられています。そのため、積極的に水分量の多い食事を摂ることが必要です。水分量の多い食材としては、主にホウレンソウや小松菜などの緑黄色野菜、リンゴなどの季節の果物などが挙げられます。電解質も含まれているため、飲み物からの水分補給が難しい場合には、食事にも気をつけましょう。
さらに、湿度を保つことも大切です。冬は乾燥しやすく、暖房をつけると先述したように湿度が大きく下がります。快適な湿度は40%~60%といわれており、湿度を保つことで他の病気の予防にもつながります。最適な湿度を保つためには、加湿器の使用や定期的な換気を行いましょう。
また、乾燥を招く可能性があるものとして、発熱量の多い室内の照明なども挙げられます。発熱量の多い室内照明が設置されているのであれば、比較的発熱量が少ないLED照明などに変えることでも乾燥が防げるでしょう。
職場の暖房にはどのように対処すれば良いでしょうか。
また、扇風機やサーキュレーターなどを使って室内の空気を循環させましょう。室内の空気を循環させれば、温まった空気が溜まるのを防ぎます。部屋全体の温度を均一にできて脱水症状を防げるでしょう。さらに、定期的な換気も大切です。職場の窓を開けられるのであれば、空気の入れ替えを行い、温度が上がり過ぎないようにしましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
軽度であれば乾燥を感じるなどで済みますが、重度の脱水症状となると頭痛や吐き気などを感じるケースもあります。冬は脱水症状をめったに起こさないだろうと思い込まず、こまめな水分補給を行いましょう。
また、少しでも体調に違和感を覚えた場合には、早期の専門の医療機関への受診も大切です。気づかないうちに脱水症状が進行すれば、さらに体調を悪化させる可能性があります。思わぬトラブルを引き起こさないためにも、乾燥を防ぎ温まりすぎないように、できる範囲での対策を行いましょう。
編集部まとめ
暖房病は、乾燥から脱水症状を引き起こし、さまざまな体調の悪化を招く可能性があります。
脱水症状は夏に起きるものと思われる方も多いですが、エアコンなどの効きすぎによって冬でも起こるのです。
少しでも頭痛や上半身だけ温まり過ぎているといった違和感を覚えた場合には、部屋の加湿や空気の入れ替えにより対処しましょう。
また、同時に専門の医療機関への受診も大切です。早期発見と早期治療が、症状悪化の防止につながります。