「心原性ショック」の症状・原因はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/03/24

ショックとは何らかの原因により、臓器への酸素供給が不足した状態のことをいいます。
その中でも心原性ショックは、心拍の異常や心臓の血液を押し出す力が弱まることなどがきっかけで発症します。
ショックは臓器不全になるだけでなく、治療が遅れてしまうと命を落としてしまう危険な病気なので、速やかな検査・治療が必要です。
この記事では、心原性ショックの症状・原因・メカニズムなども紹介するのでぜひ最後まで目を通してみて下さい。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
※この記事はMedical DOCにて『「心原性ショック」の症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
心原性ショックの症状と原因
心原性ショックの症状は何ですか?
心原性ショックの主な症状として皮膚の蒼白・冷や汗・意識レベルの低下・血圧低下(90mmHg以下)・脈拍触知不可・呼吸不全などが挙げられます。
心臓のポンプ機能が低下することで血液や酸素が全身に行き届かなくなり、皮膚の蒼白が見られ心臓から遠い橈骨動脈の触知ができず、脳も血液や酸素が不足してしまうので意識レベルの低下が起きます。
その状態で時間が経過してしまうと各臓器の細胞も壊死してしまい、多臓器機能不全になると予後も悪く非常に危険な状態になってしまうのがショックの症状です。
これらの症状は速いスピードで進行するため、どれだけ早く心原性ショックの原因となる疾患を診断し治療出来るかがとても重要になります。
心臓のポンプ機能が低下することで血液や酸素が全身に行き届かなくなり、皮膚の蒼白が見られ心臓から遠い橈骨動脈の触知ができず、脳も血液や酸素が不足してしまうので意識レベルの低下が起きます。
その状態で時間が経過してしまうと各臓器の細胞も壊死してしまい、多臓器機能不全になると予後も悪く非常に危険な状態になってしまうのがショックの症状です。
これらの症状は速いスピードで進行するため、どれだけ早く心原性ショックの原因となる疾患を診断し治療出来るかがとても重要になります。
心原性ショックの原因はなんですか?
心原性ショックの原因として、心臓のポンプ機能そのものが原因となる場合とそれ以外の場合とで分けられます。心臓のポンプ機能が低下する要因になる疾患として、心筋梗塞・心筋炎・心臓術後の低心拍出状態などが挙げられます。
他にも植物や動物から受ける毒物や麻酔薬・抗不整脈薬など心筋を抑制するものも心原性ショックを引き起こす原因の1つです。また心室拡張障害となりうる心タンポナーデ・心室内腫瘍・緊張性気胸、不整脈を引き起こす心室細動・心室粗動・徐脈・頻脈などの疾患も心原性ショックの原因となります。
どれも危険な状態なのでショック症状だと気付いたら速やかに救急車を呼び、医療機関で検査・治療を受けて下さい。
他にも植物や動物から受ける毒物や麻酔薬・抗不整脈薬など心筋を抑制するものも心原性ショックを引き起こす原因の1つです。また心室拡張障害となりうる心タンポナーデ・心室内腫瘍・緊張性気胸、不整脈を引き起こす心室細動・心室粗動・徐脈・頻脈などの疾患も心原性ショックの原因となります。
どれも危険な状態なのでショック症状だと気付いたら速やかに救急車を呼び、医療機関で検査・治療を受けて下さい。
心原性ショックのメカニズムについて教えてください。
心原性ショックが及ぼす大きな障害は、臓器への灌流障害です。
心臓が何らかの影響を受けることで循環血液量の減少・心拍出量の減少・血管拡張が起き、灌流障害が発生します。そしてショック状態になると低血圧になり、程度は基礎疾患の有無や年齢などによって多少異なりますが、高脂血症が持病にあり動脈硬化が進んでいる人や高齢の人は脳・心臓・腎臓に重度の機能障害を来たすことがあります。
また心臓の心拍出量の減少や心収縮機能が低下することで心筋や全身への灌流が悪化し、それぞれの臓器の細胞が壊死、最悪命を落としてしまうというのが心原性ショックのメカニズムです。
心臓が何らかの影響を受けることで循環血液量の減少・心拍出量の減少・血管拡張が起き、灌流障害が発生します。そしてショック状態になると低血圧になり、程度は基礎疾患の有無や年齢などによって多少異なりますが、高脂血症が持病にあり動脈硬化が進んでいる人や高齢の人は脳・心臓・腎臓に重度の機能障害を来たすことがあります。
また心臓の心拍出量の減少や心収縮機能が低下することで心筋や全身への灌流が悪化し、それぞれの臓器の細胞が壊死、最悪命を落としてしまうというのが心原性ショックのメカニズムです。
編集部まとめ
心原性ショックは命を落とす可能性が高い、とても危険な状態です。治療が早く開始できても、心臓や脳など大事な部分への影響が大きければ予後も悪くなります。
ショック状態になるリスクを下げるには、どれだけ日頃から健康管理を意識しているかが大事です。
持病のコントロール・生活習慣病の予防・定期的な健康診断の実施をすることで心筋梗塞を発症する確率を少しでも下げることができるので、自分の健康管理を意識してみましょう。
もしショック状態の人を見かけたり、何かいつもと違ったりすると感じたら迷わず救急車を呼び医療機関で治療を受けて下さい。
参考文献