「舌痛症」の症状・原因はご存知ですか?【医師監修】

口内に原因不明の痛みを感じている場合、舌痛症という病気である可能性があります。
舌痛症とは、炎症などの症状がみられないのに舌に痛みが生じる病気です。痛みは長期にわたって続き、波がありながらも慢性的に痛むようになります。
この記事では、舌痛症がどのような病気であるのかを、症状・原因・ストレスによる影響などについて触れながら詳しく解説していきます。
※この記事はMedical DOCにて『「舌痛症」を疑う症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
目次 -INDEX-
舌痛症とは?
舌痛症とはどんな病気か教えてください。
どんな症状がみられたときに舌痛症を疑いますか?
また、「チクチク」と刺されるような痛みが生じる場合もあるでしょう。症状は長時間続きます。睡眠時には痛みを感じませんが、起床してから痛みを感じはじめ、夜にかけて痛みが強くなる傾向があります。就寝まで症状は続きますが、痛みには波があるため、常に痛いわけではありません。特徴的なのは、食事や会話などを行っている最中には痛みを感じなくなることです。舌炎や口腔ガンジタ症は摂食を行うと痛みが悪化しますが、舌痛症はガムを噛むことで痛みが軽減されます。痛みに加え、口腔乾燥を感じたり、味覚の低下や異常が起きたりするケースもあります。
舌痛症の原因は何ですか?
精神的ストレスなども影響していると聞いたのですが…
また、口内に関する不安があるために発症するケースもみられます。例えば、口内に違和感がある・歯科治療をきっかけに口内が気になるようになったなどです。これらの不安から舌に注意を向けるようになり、そのうちに痛みが生じてしまうケースがあります。精神的ストレスが原因で発症した場合、ストレスを取り除けばすぐに治ることもありますが、症状が長期化することも多いです。
編集部まとめ
口内に灼けるような痛みを生じさせる舌痛症は、はっきりとした原因が判明していない病気です。炎症や病変が認められないにもかかわらず、舌や口蓋などの痛みが慢性的に続きます。
痛みが出る原因は明確にされていませんが、舌の痛みに関する神経の障害であると考えられています。また、心理的な要因も深く関係しており、精神的ストレスが病気を引き起こしたり悪化させたりすることもあるでしょう。
舌の痛みを引き起こす病気は様々なものが考えられるため、舌痛症の診断をするには検査を行う必要があります。口腔内の検査だけでなく血液検査なども行って、痛みの原因である病気が見つからなかった場合に、舌痛症だと診断されます。
行われる治療法は、対症療法です。効果のある抗うつ薬などを服用する薬物療法や、心理的な要因を取り除く心理療法などが行われます。
治療の間はしっかりと休養し、心身のバランスを整えるように心がけることが大切です。