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「肝硬変」の症状・原因はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/04/11
「肝硬変」の初期症状・アルコール以外の原因はご存知ですか?医師が監修!

肝硬変は、肝臓の組織が硬くなり機能が低下する病気です。ウイルスの感染やアルコールの過剰摂取によって引き起こされ、命に関わる合併症を引き起こす危険があります。

肝硬変は初期に無症状の場合があり、発見が遅れてしまうと重症化する場合もあるので注意が必要です。原因や症状について理解し、早期発見の参考にしてみてください。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

プロフィールをもっと見る
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

※この記事はMedical DOCにて『「肝硬変」の初期症状・アルコール以外の原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

肝硬変はどんな病気?

お酒で乾杯

肝硬変はどんな病気ですか?

肝臓の細胞がウイルスの感染やアルコールなどにより破壊と再生を繰り返すことで、硬くなり機能が低下している状態を肝硬変といいます。
ウイルスやアルコールなどの影響で肝臓に炎症が起こると、修復する際にコラーゲンというたんぱく質が増加し肝臓全体に広がってしまいます。
悪化すると腹水や肝性脳症・食道静脈瘤などを起こし、余命にもかかわる病気です。初期症状が現れにくく気づきにくいため、検査による早期発見が重要です。

原因が知りたいです。

原因はウイルス感染やアルコールなど以外にも下記の原因があります。

  • B型肝炎ウイルス
  • C型肝炎ウイルス
  • アルコール性肝障害
  • 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
  • 原発性胆汁性胆管炎
  • 自己免疫性肝炎
  • 薬物中毒
  • 胆汁うっ滞
  • 寄生虫などの感染

C型肝炎による肝硬変が最も多く全体の約50%といわれています。次にアルコール性肝障害が約20%、B型肝炎が約10%です。

初期症状にはどんなものがありますか?

肝硬変の初期段階では炎症が起きている部分を他の部分で補うため、機能が維持され症状が出ないことが多いです。そのため発見が遅れてしまうことが多々あります。
症状が現れる場合もあり、肝硬変の症状は下記のようなものがあります。

  • 食欲の低下
  • 吐き気
  • 体重の減少
  • 倦怠感
  • 疲労感
  • 筋攣縮
  • 手掌紅斑
  • 蜘蛛状血管腫

上記の症状が現れたら病院の受診をおすすめします。

肝硬変の合併症があれば教えてください。

肝硬変は合併症を発症しやすく予後に大きく関係してきます。

  • 食道静脈瘤
  • 胃静脈瘤
  • 肝性脳症
  • 腹水
  • 突発性細菌性腹膜炎
  • 筋けいれん
  • 門脈肺高血圧症(PoPH)
  • 血小板減少
  • かゆみ

肝臓が硬くなることで血管の圧力が高くなり、静脈瘤が発生することがあります。破裂してしまうと大出血を起こすため、手術での対応が必要な場合もあります。
また、肝機能の低下によってアンモニアなどの老廃物が処理できなくなることで脳症になる可能性も高まるのです。他にも腹水などは悪化すると呼吸困難を起こすなど、命にかかわる合併症が多くあるので注意しましょう。

編集部まとめ

バイタル測定
肝硬変の症状や治療法について紹介しました。C型肝炎ウイルスによる肝硬変が最も多いですが、ウイルスに対する治療薬が開発されほとんど治療できるようになりました。

しかし、命に係わる合併症も多いため生活習慣の改善や早期治療が重要になります。アルコールの過剰摂取以外にも不摂生な食生活や運動不足も肝硬変の原因になります。

肝硬変は初期症状が現れにくく、沈黙の臓器ともいわれる部分であるため定期検査や小さな違和感に気がつくことが重要です。

倦怠感など体調不良が現れたときには、すでに肝硬変が進んでいる場合があるので病院を受診し適切な治療を受けましょう。

治療や生活習慣の改善で肝機能の維持ができるため、早期発見と早期治療を心がけましょう。

この記事の監修医師

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