「高カルシウム血症」で”幻覚”が現れる?放置するリスクと予防法を医師が解説!
公開日:2025/12/31

成長期の骨の発育にも骨粗鬆症予防にも一役買ってくれる栄養素としてカルシウムを積極的に摂取する方は多いのではないでしょうか?
しかし、体内にカルシウムが多ければ多いほどいいというわけではないのです。カルシウムが血液中で増えすぎてしまうと体に不調を起こしたり、病気の原因になることもあります。
そこで今回は高カルシウム血症の予防方法などについて解説していきます。
※この記事はメディカルドックにて『「高カルシウム血症」とは?症状・治療法・原因も解説!医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
プロフィールをもっと見る
名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
目次 -INDEX-
高カルシウム血症のリスクと予防方法

高カルシウム血症を放置した場合のリスクを教えてください。
- 前述したように、高カルシウム血症は初期症状の分かりづらさから放置されやすく、重症化してから発覚するケースは少なくありません。
- 重症化してしまうと幻覚などの脳の異常や腎結石などの症状も出てきて極めて危険であるため早期発見が大切です。
- 早期発見を目指すためにも、初期症状である便秘や食欲不振などの消化器症状が続いたらすぐに医療機関を受診しましょう。
予防方法はありますか?
- 過度なカルシウムとビタミンDの摂取は避けましょう。カルシウムとビタミンDは骨をつくるうえで非常に重要な栄養素です。
- しかし、過度に摂取してしまうと働きが強すぎるあまりにカルシウムが血液に流れてしまい、高カルシウム血症となってしまいます。
- 腰痛などで整形外科を受診してビタミンD製剤を服用する場合には定期的に血液検査を行い、担当医と相談しながらの服薬を心がけましょう。
- また、カルシウムも過剰摂取してしまうとミルクアルカリ症候群という病気によって高カルシウム血症になることがあるため、「健康のために」と牛乳などの乳製品の摂取はほどほどにしておくことをおすすめします。
- カルシウムの耐容上限量は18歳以上の男女には1日2500mgと設定されています。この数値を守り、健康的なカルシウム摂取を心がけましょう。
高カルシウム血症の患者は牛乳を飲んでも大丈夫ですか?
- 高カルシウム血症になった場合、カルシウム量を制限する必要があるため控えることをおすすめします。
- また、前述したようにビタミンDも高カルシウム血症の際には控える必要があるため、ビタミンDを多く含むキノコや卵類の摂取は控えるようにしましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
- 高カルシウム血症は初期症状から緊急性が判断しづらく、放置されることが少なくない状態です。
- しかし、放置してしまうと重症化し、脳の異常や腎機能の障害も出てくるため決して軽んじてはいけない状態の1つです。
- これは高カルシウム血症以外のすべての病気に関していえることですが、自身の体に不調が続くようであれば無理をせず、医療機関を受診してください。
- また高カルシウム血症は血液検査によって発覚するため、定期的に血液検査を含めた健康診断を受けることをおすすめします。
編集部まとめ

カルシウムは健康な骨づくりに欠かせない栄養素です。
しかし、どんなにいい薬も飲み過ぎてしまえば毒になってしまうように、過度なカルシウム摂取は高カルシウム血症の原因になる危険性があります。
耐容上限量を守り、健康な体づくりに活かすカルシウム摂取をおすすめします。
また、早期発見を目指すためにも定期的に健康診断などを受け、徹底した自己管理をすることで高カルシウム血症から自身の体を守りましょう。
参考文献


