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「坐骨神経痛」の予防法や治療後に気をつけることはご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/01/24

お尻から足にかけて痛みがある、腰を反らすとしびれを感じるといった症状がある場合は坐骨神経痛かもしれません。

坐骨神経痛とはお尻から足にかけて痛みやしびれを感じる症状の総称です。

坐骨神経痛を引き起こす原因にはさまざまな病気がありますが、主に腰部脊柱管狭窄症腰椎椎間板ヘルニアの2つが原因となります。

悪化すると歩行困難など重篤な症状につながる危険性があるため、痛みが1週間以上続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。

この記事では、坐骨神経痛の原因・治療方法・予防方法などを詳しく解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「坐骨神経痛」とは?症状・原因・治療方法も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

坐骨神経痛の予防と日常生活の注意点

ストレッチをする女性

原因を取り除けば坐骨神経痛も治りますか?

  • 軽症の場合は自然に治癒することもありますが、骨の変形やヘルニア等の原因がある場合は完全に治ることはありません。
  • 適切な治療を行うことで痛みは1~2週間程度で治まります。
  • 薬物療法・理学療法を行った場合の治療期間は平均3ヶ月程度です。

坐骨神経痛の予防方法があれば教えてください。

  • 筋肉の衰えも坐骨神経痛の原因となります。筋肉量は20代がピークで後は減少していき、とくに衰えが早いのが下肢の筋肉です。
  • 軽症の坐骨神経痛はお尻の筋肉の衰えが原因となる場合があり、お尻の筋肉には下記の役割があります。
  • 坐骨神経の保護
  • 坐骨神経につながる血管の保護
  • 坐骨神経の血流の維持
  • また、腰の負担を和らげることも大切です。日常生活で中腰や前かがみになる姿勢をとらないなど動作に気をつけるだけでも痛み・しびれの緩和につながります。

治療中や治療後に気をつけることはありますか?

  • 坐骨神経痛を改善するためには腰の負担を軽減することが大切です。原因となる疾患にもよりますが、軽度の場合は日常生活で下記の点に注意しましょう。
  • 長時間同じ姿勢をとらない
  • 重いものを持たない
  • 激しい運動をしない
  • 腰周りの筋肉をつける
  • 肥満の場合は減量する

最後に、読者へメッセージがあればお願いします。

  • 坐骨神経痛という病気は、いわゆる腰付近に存在している坐骨神経に沿ってお尻辺りの臀部から下肢のうしろ面などにかけて電撃のように引き起こされる痛みを呈する状態です。
  • 一般的に、坐骨神経は腰の辺りから足先までに伸びている神経束であり、この坐骨神経が何かしらの原因によって物理的に刺激されると下半身に痛みやしびれ症状が引き起こされます。
  • 坐骨神経痛による代表的な症状としては、お尻や脚の後面にかけて電撃のような痛みやしびれ感が生じると考えられています。
  • 腰椎椎間板ヘルニアが原因の坐骨神経痛では局所的な疼痛症状を訴えることが多い一方で、腰部脊柱管狭窄症が原因のケースでは間歇性跛行という症状を生じることが往々にして認められます。
  • 坐骨神経痛に対する治療策はさまざまであり、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症が原因となるケースでは、まずは患部安静や固定、薬物療法、理学療法などを中心とした保存療法が勧められます。

編集部まとめ

笑顔の女性

坐骨神経痛は下肢に痛みやしびれを感じる症状で、人によっては動けないほど強い痛みを感じます。

原因となる病気はさまざまなものがありますが、腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアが代表的です。

重いものを持たない、長時間同じ姿勢を取らないなど日常生活で腰に負担をかけないように注意しましょう。

また、痛みを放置すると歩行困難や排せつ障害など重篤な症状を引き起こす可能性があるため、自己判断はせず早めに整形外科を受診することをおすすめします。

この記事の監修医師