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「坐骨神経痛」の検査・治療法はご存知ですか?手術の可能性も解説!【医師監修】

 公開日:2025/01/23

お尻から足にかけて痛みがある、腰を反らすとしびれを感じるといった症状がある場合は坐骨神経痛かもしれません。

坐骨神経痛とはお尻から足にかけて痛みやしびれを感じる症状の総称です。

坐骨神経痛を引き起こす原因にはさまざまな病気がありますが、主に腰部脊柱管狭窄症腰椎椎間板ヘルニアの2つが原因となります。

悪化すると歩行困難など重篤な症状につながる危険性があるため、痛みが1週間以上続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。

この記事では、坐骨神経痛の原因・治療方法・予防方法などを詳しく解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「坐骨神経痛」とは?症状・原因・治療方法も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

坐骨神経痛の診断と治療方法

診察する医師

受診を検討する目安が知りたいです。

  • お尻から足にかけて強い痛みやしびれを感じ、症状が続く場合は坐骨神経痛の可能性があるため早めに受診することをおすすめします。整形外科で検査を受け、坐骨神経痛の原因を調べましょう。

坐骨神経痛ではどのような検査を行いますか?

  • 坐骨神経痛の検査では主にレントゲン検査・MRI検査・CT検査などの画像検査を行います。
  • 坐骨神経はお尻からつま先まで長く伸びているため、症状が出る部位も広範囲です。どの神経が圧迫されているのかを調べるため、神経学的検査を行います。
  • ラゼークテスト:腰椎椎間板ヘルニアの疑わしい部位を調べる(お尻・ももの後側・足先)
  • FNSテスト:腰椎椎間板ヘルニアの疑わしい部位を調べる(太ももの前面・外側)
  • ケンプテスト:圧迫されているのが椎間板の内側か外側かを調べる
  • 反射検査:神経が正常に働いているかどうかを調べる
  • 徒手筋力検査:筋肉を支配している神経が正常かどうかを調べる
  • 知覚検査:感覚に異常がないかを調べる

診断基準があれば教えてください。

  • 坐骨神経痛の診断は問診・診察レントゲン検査・MRI検査の結果と患者本人が訴える症状・年齢を考慮して総合的に診断します。感染症や腫瘍による坐骨神経痛かを判断することが重要です。

坐骨神経痛の治療方法が知りたいです。

  • 原因となる病気がある場合は病気の治療をし、症状が坐骨神経痛だけの場合は痛みを取り除く治療をします。
  • 坐骨神経痛の治療方法には保存療法手術療法の2つがありますが、基本的には保存療法が行われます。保存療法では薬物療法理学療法が主な治療方法です。薬物療法では下記のような薬が用いられます。
  • 非ステロイド性消炎鎮痛薬:一般的な痛み止め
  • 神経障害性疼痛治療薬:発作的な鋭い痛み(伝激痛)への対処
  • 筋緊張弛緩剤:筋肉の緊張を和らげる
  • 血管拡張薬:血流改善で症状を和らげる
  • 理学療法では下記のような治療を行います。
  • 運動療法:ストレッチで筋肉の緊張をほぐして血流を改善
  • 温熱療法:温めることで血管を広げ痛みの原因物質を除去
  • 電撃刺激療法:低周波の電気刺激で神経の働きを抑制

痛みや痺れが酷い場合は手術することもありますか?

  • 主な症状が坐骨神経痛だけの場合は手術が行われることはほとんどありません。2~3ヶ月の保存療法で改善がみられない場合膀胱・直腸に障害がみられる場合は手術をすることもあります。
  • 坐骨神経痛を根本的に改善するためには骨を削るなどの手術が必要です。坐骨神経痛によって仕事ができないなど、生活に影響が出ている場合は医師に相談してみましょう。

編集部まとめ

笑顔の女性

坐骨神経痛は下肢に痛みやしびれを感じる症状で、人によっては動けないほど強い痛みを感じます。

原因となる病気はさまざまなものがありますが、腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアが代表的です。

重いものを持たない、長時間同じ姿勢を取らないなど日常生活で腰に負担をかけないように注意しましょう。

また、痛みを放置すると歩行困難や排せつ障害など重篤な症状を引き起こす可能性があるため、自己判断はせず早めに整形外科を受診することをおすすめします。

この記事の監修医師