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「紫斑病」の症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/02/26
紫斑病とはどんな病気?

紫斑病とは皮下出血による紫色のあざ(紫斑)ができやすくなる病気の総称をいい、その中には複数の疾患が含まれます。

皮下出血による紫斑は、一時的なものなら誰にでもあるものなので心配はありません。

しかし、複数の紫斑が現れる・点状の紫斑が広範囲に現れる・紫斑を繰り返しているなどの場合は注意が必要です。

今回は紫斑病の詳しい症状と、特徴や治療方法などを紹介していきます。

※この記事はMedical DOCにて『「紫斑病」とは?症状・原因・治療法について詳しく解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

紫斑病とはどんな病気?

紫斑病とはどんな病気?

紫斑病にみられる症状を教えてください。

  • 紫斑病にかかると下記のような症状がみられます。
  • 一度に複数の紫斑が現れる
  • 小さい点状の紫斑が広範囲に現れる、またはだんだん広がってきている
  • 紫斑ができる頻度が増え、一度消えても繰り返し現れる
  • などの症状の場合は紫斑病の可能性が高いです。一時的なものであればとくに心配はありませんが、白血病や血友病などの病気が隠れていることもあり、上記のような症状がある場合は一度病院に行き相談してみることをおすすめします。

紫斑は何が原因で発症しますか?

  • 紫斑ができる原因は下記のように主に7つあり、その中でも病的なものとそうではないものとに分けられます。
  • 血小板の減少または増加によるもの
  • 血管の炎症や異常によるもの
  • 血小板の機能異常
  • 血液の凝固異常
  • ぶつけたなどの外的要因
  • 体質や年齢による変化
  • アスピリンなどの服用による薬剤性のもの
  • 外的要因に思い当たることがある場合や、体質的に皮下出血を起こしやすい方は、病的な理由ではないためあまり心配はありません。また、薬剤性の紫斑も薬の副作用によるものが多いです。
  • そして紫斑ができやすくなる病的な原因としてあげられるのが、血小板数の異常や血管の異常によるものです。血小板は血液の3大成分の1つで主に止血の役割があり、血小板が減少すると少しの怪我でも出血しやすくなったり、血が止まりにくくなったりします。また、血小板が過度に増加すると止血機能が低下してしまい、出血しやすくなることがあります。
  • ほかにも、血管の異常も紫斑の原因の1つとしてあげられますが、これは血管の壁が炎症などが原因でもろくなってしまい、血液が漏れやすくなってしまうためです。血小板数の異常によりできる紫斑を「血小板性紫斑」、血管の異常によりできる紫斑を「血管性紫斑」と呼びます。
  • 血小板性紫斑の原因となる病気には、特発性血小板減少性紫斑病や血栓性血小板減少性紫斑病といったものから、再生不良性貧血や急性白血病などの血液腫瘍の病気によるものもあります。

紫斑病を発症しやすい人の特徴を教えてください。

  • 紫斑病は体質や年齢により発症する原因が異なるため、発症しやすい人の特徴というのは特にありません。
  • しかし、アレルギー性のものであれば3歳~10歳、老人性紫斑病であればその名のとおり高齢者に発症しやすいというように発症しやすい年齢はある程度わかっています。
  • また、過度のストレスにより免疫機能の異常を引き起こし発症する可能性があるとも考えられており、研究が進められています。

紫斑病にはいくつか種類があると聞いたのですが、どんな違いがありますか?

  • 紫斑病と呼ばれるもので代表的なのは、特発性血小板減少性紫斑病・血栓性血小板減少性紫斑病・アナフィラクトイド紫斑病などのアレルギー性紫斑病(IgA血管炎)の主に3つです。
  • 特発性血小板減少性紫斑病は免疫抗体の異常により、自らの血小板を破壊してしまい血小板が減少する病気です。急性期・慢性期があり、急性期は小児に、慢性期は成人に多くみられます。紫斑のほかに歯茎からの出血や鼻血などの症状がでることもあります。血栓性血小板減少性紫斑病は、血小板の凝固を調整する酵素機能が低下し、血小板の凝固力が高まって血栓が多量にできてしまうために血小板が減少する病気です。紫斑のほかに溶結性貧血や腎臓や脳の機能障害などの症状が現れることがあります。どちらの病気もはっきりとした原因がわからず、厚生労働省の指定難病に認定されています。
  • アレルギー性紫斑病はほかの2つと違い、血管性の病気です。こちらもはっきりとした原因はわかっていませんが、発症したほとんどが3歳~10歳の小児であり、溶連菌やマイコプラズマ感染症などに引き続いて発症することが多いです。

編集部まとめ

編集部まとめ
紫斑病にかかってしまった場合、まずは安静にしストレスをためないようにすることが大切です。

症状が重度のときは免疫抑制剤の使用や入院して治療をすることもありますが、治療後の予後に問題はなく、ほとんどの方が完治します。

あざができやすい・内出血がなかなか消えない・細かい点状の内出血が広がっているなどの症状がある場合は早めに病院を受診し、検査してもらうのが一番です。

紫斑病は放っておくと脳などの臓器から出血することが多く、放置しておくのは大変危険です。

この記事の監修医師

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