目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「腎不全」になると現れる症状はご存知ですか?【医師監修】

「腎不全」になると現れる症状はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/01/19

体内の老廃物を排せつする腎臓の機能が低下する「腎不全」をご存じでしょうか。悪化すると、透析や移植が必要になる可能性があります。

今回は腎不全の概要や、症状と原因、受診科目と検査、そして治療方法を紹介します。

※この記事はMedical DOCにて『「腎不全」とは?症状・原因・治療法についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

腎不全とは

腎不全とはどのような疾患でしょうか?

腎不全とは、腎臓の機能が正常の30%以下に低下した状態です。腎臓には、血液をろ過する「糸球体」があります。腎炎などの腎臓病が進行すると、この糸球体の網の目がつまり、老廃物を排せつする機能が落ちてしまいます。
腎不全は慢性腎不全と急性腎不全に分かれますが、慢性腎不全は腎機能の回復は見込めません。慢性腎不全がさらに進行すると末期腎不全になります

急性腎不全と、慢性腎不全の違いを教えてください。

数日から数週間の短期間でなるのが、急性腎不全です。慢性腎不全は、数年以上かけてゆっくりと進行します。
急性腎不全は治療により改善する可能性がありますが、慢性腎不全になってしまうと治療による改善は見込めません。

末期腎不全とはどのような状態ですか?

慢性腎不全から腎機能の低下が進行すると末期腎不全となります。慢性腎不全の状態で治療を行わなかった場合や、治療を行っても進行してしまった場合に陥ります。
末期腎不全では体内の老廃物を除去するため、血液透析や腹膜透析などの人工透析を行わなければなりません。根治治療として腎臓移植を行う場合もあります。

腎不全の症状

腎不全とは?

腎不全になると、どのような症状が現れますか?

腎臓の機能が低下すると老廃物を排出する機能が低下するため、余分な水分や尿毒素などの、有害なものや不要なものを十分に排出できません。これらの物質が体内にたまってしまうため、さまざまな症状が現れます。
主に現れる症状は、尿毒症の症状です。身体に老廃物がたまることで体内に酸がたまり、その後尿毒症の症状が現れます。
他にも身体に水分がたまることで心不全になったり、カリウムがたまることで高カリウム血症になったりなど、命に危険をおよぼす可能性があります

尿毒症では、どのような症状が現れますか?

多くの場合、尿の異常が現れます。尿の回数が増えたり減ったり、通常の尿とは違う色の尿が出たりなどの症状です。腎機能がかなり低下すると、夜間に尿の量が増える場合が多いとされます。
また、全身のだるさ、動悸、息苦しさ、息切れなどの疲労感。ほかにも、食欲の低下や吐き気、高血圧や貧血、足や目の周りのむくみ、かゆみ、発熱などさまざまな症状が現れます。

編集部まとめ

腎不全とは、腎臓の機能が正常の30%以下に低下した状態です。腎不全は慢性腎不全と急性腎不全に分かれます。慢性腎不全になると腎機能の回復は見込めません。慢性腎不全がさらに進行したのが末期腎不全です。

腎不全になると、主に尿毒症の症状が現れます。通常の色とは違う色の尿が出たり、尿の回数が増えたり減ったりすることが多いです。他にも全身のだるさ、動悸や息苦しさ、食欲の低下や吐き気、高血圧や貧血など、さまざまな症状が現れます。

慢性腎不全の治療は、主に慢性腎不全の「保存期」と末期腎不全の「透析期」に分かれます。保存器では投薬や食事療法などで腎不全の進行を遅らせます。

透析期では人工透析で老廃物を除去したり、血液をきれいにしたりしなければなりません。場合によっては、腎臓移植が行われます。

腎機能の低下は、進行するまで症状が現れにくいので、定期的な健康診断による早期発見が重要です。症状が現れた場合はすでに進行している可能性があるので、早急に腎臓内科を受診しましょう。

この記事の監修医師