妊娠前の健康管理「プレコンセプションケア」とは?妊娠前に医療機関で受けるべきケアを医師が解説!

若い世代が将来の妊娠や出産、子育てなどに備え、正しい知識で健康管理をすることを目的とする「プレコンセプションケア」は近年、注目を集めています。しかし、言葉は知っていても「具体的に何をすればいいのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。「はやしARTクリニック半蔵門」の林先生に、医療機関で受けることができるプレコンセプションケアについて詳しく解説していただきました。

監修医師:
林 裕子(はやしARTクリニック半蔵門)
編集部
医療機関では、どのようなケアを受けることができるのでしょうか?
林先生
WHOが提唱しているプレコンセプションケアとしての医療的介入が必要な項目は、非常に多岐にわたります。栄養状態、喫煙、遺伝的条件、環境衛生、不妊症・不育症をはじめ、暴力、性感染症、HIV、メンタルヘルス、精神作用物質の使用、ワクチンで予防可能な疾患などもプレコンセプションケアに含まれます。そのほか、痩せや肥満をチェックしたり、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を予防したりすることも大事な要素です。
編集部
幅広いのですね。
林先生
これらの内容には、全てプレコンセプション的な意味合いが含まれています。例えば、妊娠初期の風疹感染は先天性風疹症候群(胎児の白内障、難聴、先天性心疾患など)の原因になります。そのため、母子健康手帳を見返してワクチンの接種漏れがないか確認し、必要があればワクチンを接種することも、健康的な妊娠や出産のためには大切なことであり、プレコンセプションケアの一環となります。
編集部
なるほど。健康な妊娠出産を叶えるためには、そうしたことが必要なのですね。
林先生
私は、プレコンセプションケアの目的を「不妊原因につながるような項目がないかを確認すること」と「健康に妊娠ができる状態か確認すること」と理解しています。糖尿病や高血圧などの生活習慣病は妊娠や出産、さらには新生児の健康にとって大きなリスクとなり、妊娠前に血糖コントロールが不良だと先天異常リスクが上昇しますし、高血圧を合併しての妊娠は早産や低出生体重児のリスクにつながります。そうしたリスクを排除するため、早期に医療介入して健康に妊娠できる体づくりをおこなうのがプレコンセプションケアの目的なのです。
編集部
プレコンセプションケアは保険適用ですか?
林先生
保険適用にはなりませんが、一部の自治体は助成金を用意しています。東京都を例に挙げると、「TOKYOプレコンゼミ」を受講した人を対象に、都が指定する検査のうち、個人の状況に合わせて医師と相談の上、実施した検査などの費用を助成してもらうことができます。また、プレコンセプションケアとしておこなった検査で疾患が見つかった場合、早期に治療をおこなうことが可能です。
※この記事はメディカルドックにて<妊娠前の健康管理は何をすればいいかご存じですか? 「プレコンセプションケア」の必要性を医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




