自己判断は危険! 長引く咳に隠れた「マイコプラズマ肺炎」の症状を医師に聞く

最近話題に上がることが多い「マイコプラズマ肺炎」。とくに子どもや若い世代に多く見られ、初期症状が風邪と似ているため、見過ごされがちです。しかし、適切な治療を怠ると重症化する可能性もあります。本記事ではマイコプラズマ肺炎の見分け方と注意点について、感染症専門医の忽那賢志先生にお話を伺いました。

監修医師:
忽那 賢志(大阪大学大学院医学系研究科 感染制御医学講座教授)
編集部
風邪と似た症状があると聞きますが、どうやって見分けるのでしょうか?
忽那先生
マイコプラズマ肺炎は、風邪と症状が似ていますが、主な違いは「咳が長引く」という点です。風邪の場合、症状は通常1週間以内に改善しますが、マイコプラズマ肺炎では乾いた咳が数週間続くことがあります。この長引く咳が重要なサインです。自己判断で風邪だと思い込み、放置すると重症化する可能性があります。少しでも疑わしい場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。
編集部
どのタイミングで病院に行くべきでしょうか?
忽那先生
一般的に風邪は1週間程度で回復しますが、それ以上続く場合や、発熱、息苦しさ、胸の痛みといった症状が見られる場合は受診をお勧めします。また、高齢者や慢性疾患を持つ方は、早期受診を強くお勧めします。肺炎は進行すると治療が難しくなる場合があるため、油断せずに対応することが大切です。
編集部
重症化した場合にはどのような症状が出ますか?
忽那先生
重症化した場合には、通常の肺炎と同様の症状、たとえば呼吸困難や高熱、胸の痛みが見られます。ただし、マイコプラズマ肺炎は特定の抗生物質でしか治療できないため、ほかの肺炎用の抗生物質が効かない場合があります。この点が診断や治療を難しくするポイントです。正確な診断のためには、医療機関での検査が必要です。
※この記事はメディカルドックにて<「マイコプラズマ肺炎」と「肺炎」の違いを医師が解説 10・20代に発症者が多くなる?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




