アトピー性皮膚炎の悪化を防ぐ! 乾燥・かゆみの悪循環を断つ保湿の重要性【医師解説】

現在、アトピー性皮膚炎に悩まされる子どもが増えています。症状の改善のため、さまざまなことを努力している保護者も多いと思いますが、その中でも大切なのは保湿。なぜ保湿が重要と言われるのか、 武蔵小杉皮ふ科の山本先生に教えてもらいました。

監修医師:
山本 亜偉策(武蔵小杉皮ふ科)
編集部
アトピー性皮膚炎では保湿が重要と言われるのはなぜですか?
山本先生
皮膚のバリア機能が低下すると皮膚からどんどん水分が蒸発し、乾燥肌になってしまいます。さらに乾燥するとかゆみが増し、掻きこわすことでますますバリア機能が破壊されて乾燥が進むというような悪循環になってしまいます。そのためアトピー性皮膚炎では保湿が重要なのです。
編集部
どうやって保湿したら良いのでしょうか?
山本先生
主にワセリンやヘパリン類似物質、ヒルドイドなどといった保湿剤を使います。市販もされていますが、医療機関で処方してもらうこともできます。これらの保湿剤を1日に数回に分けて使用します。
編集部
保湿剤でアトピー性皮膚炎を治すことはできるのですか?
山本先生
いいえ、保湿剤はあくまでも皮膚の乾燥を改善するためのものです。アトピー性皮膚炎による炎症や、それに伴うかゆみなどの症状を改善するには、ステロイドをはじめとする治療薬や、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などの内服薬を使用する必要があります。
編集部
保湿剤を使うときのポイントはありますか?
山本先生
アトピー性皮膚炎の治療のポイントは、皮膚を清潔にし、皮膚を労わるスキンケアを行うということ。そのため毎日シャワーや入浴をして、皮膚についた埃やハウスダスト、細菌などの異物をきれいに洗い流すことが必要になります。しかし、シャワーや入浴のあとにはそのままにせず、すぐに保湿をすること。そのままにしておくとたちまち皮膚が乾燥し、ますます症状がひどくなってしまいます。
※この記事はメディカルドックにて<入浴後の保湿は3分間が勝負! アトピー改善に保湿が欠かせない理由はご存じですか?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




