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糖尿病のリスク1.62倍! 睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病の関係性について【医師が解説】

 公開日:2025/11/12
睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病の関係性

糖尿病や高血圧など、さまざまな生活習慣病と深いつながりを持っている「睡眠時無呼吸症候群」。つまり、眠っている間に呼吸が止まるこの疾患が及ぼす影響は、決して眠りの問題だけではないのです。そこで、睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病の関係性について、かつぬま内科クリニックの勝沼先生にメディカルドック編集部が聞きました。

勝沼 伸英

監修医師
勝沼 伸英(かつぬま内科クリニック)

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1997年帝京大学医学部卒業、日本大学医学部附属板橋病院第2内科(現・内科学分野循環器内科系)。2004年日本大学医学部大学院医学研究科博士課程修了。2005年春日部市立病院(現・春日部市立医療センター)呼吸器内科、2008年千歳台はなクリニック副院長などを経て現職。医学博士、日本医師会認定産業医。

編集部編集部

睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病はどのような関係があるのですか?

勝沼 伸英先生勝沼先生

たとえば、睡眠時無呼吸症候群と関係の深い高血圧を例に挙げて考えてみます。睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなったりすると血液中の酸素が不足し、交感神経が刺激されて血圧が上がります。また無呼吸の状態が何度も続くと睡眠中に大きなストレスが生じることになり、そうなると副腎皮質からコルチゾールなどのホルモンが分泌されます。これらは血圧を上昇させる働きがあるので、睡眠時無呼吸症候群になると血圧が上がりやすくなるのです。

編集部編集部

睡眠時無呼吸症候群と糖尿病の関係は?

勝沼 伸英先生勝沼先生

睡眠時無呼吸症候群になるとインスリンの働きが低下し、血糖値が下がりにくくなります。また、交感神経が活性化されたり、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されたりすると糖代謝が異常をきたし、血糖値が上がりやすくなります。脂肪も蓄積しやすくなり、肥満に至る可能性も高くなります。そのため、睡眠時無呼吸症候群になると糖尿病になりやすいのではないかと考えられています。

編集部編集部

睡眠時無呼吸症候群になると、糖尿病を発症しやすくなるのですね。

勝沼 伸英先生勝沼先生

はい。睡眠時無呼吸症候群があると、一般の人に比べて糖尿病になるリスクが1.62倍になるという研究報告もあります。また、睡眠時無呼吸症候群も糖尿病も、どちらも肥満と深い関わりを持つ病態であることから、両者を合併する人が多いと考えられています。

※この記事はメディカルドックにて<【危険】「糖尿病」に1.62倍なりやすい人が『寝ている間にやってしまっていること』>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師