【寝ている間の危険なサイン】「睡眠時無呼吸症候」とは何か、なぜ起きるのかを専門医が解説

糖尿病や高血圧など、さまざまな生活習慣病と深いつながりを持っている「睡眠時無呼吸症候群」。つまり、眠っている間に呼吸が止まるこの疾患が及ぼす影響は、決して眠りの問題だけではないのです。そこで、睡眠時無呼吸症候群とはなにか、なぜ起きるのかについて、かつぬま内科クリニックの勝沼先生にメディカルドック編集部が聞きました。

監修医師:
勝沼 伸英(かつぬま内科クリニック)
編集部
睡眠時無呼吸症候群とはなんですか?
勝沼先生
睡眠時無呼吸症候群とは寝ている間に、文字通り一時的に呼吸が止まったり、浅くなったりすることを繰り返す状態のことをいいます。睡眠中に何度も呼吸が止まると睡眠の質が低下し、昼間に眠気に襲われることがあります。実際、睡眠時無呼吸症候群の運転手が重大な事故を起こし、ニュースになったこともありました。
編集部
睡眠時無呼吸症候群はなぜ起きるのですか?
勝沼先生
睡眠時無呼吸症候群には、空気の通り道が狭くなることで起きる「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」と、脳に異常が起きることで発症する「中枢性睡眠時無呼吸症候群」がありますが、一般的なのは前者「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」の方です。これには肥満、顎が小さい、扁桃腺の肥大、飲酒、睡眠薬、鼻炎などさまざまな原因が考えられます。
編集部
睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなるのですか?
勝沼先生
日中に強い眠気が起こり、社会生活に支障を及ぼすだけでなく、近年の研究により高血圧や糖尿病、動脈硬化などさまざまな疾患を起こしやすくなることがわかっています。
編集部
睡眠の問題だけではないのですね。
勝沼先生
はい。特に近年問題になっているのは、睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病の関係です。実際、睡眠時無呼吸症候群を発症している肥満の人は、糖尿病や高血圧などを合併していることが多いことが明らかになっています。睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病の原因となるだけでなく、生活習慣病が睡眠時無呼吸症候群の悪化要因になることもあり、互いに関連しながら全身状態が悪化していきます。そのため睡眠時無呼吸症候群を放置することはとても危険です。
※この記事はメディカルドックにて<【危険】「糖尿病」に1.62倍なりやすい人が『寝ている間にやってしまっていること』>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




