「糖尿病」は完治できるの? 早期発見と治療の重要性を医師が解説!

「糖尿病は治るのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。結論からいうと、糖尿病を完全に治すことは難しいとされています。しかし、早期発見と適切な治療・生活改善を続けることで、糖尿病ではない人と同じように健康的な生活を送ることは可能です。早期発見のポイントや治療法について、乾先生に詳しく伺いました。

監修医師:
乾 恵輔(乾小児科内科医院)
編集部
率直に、糖尿病は治りますか?
乾先生
結論からいいますと、現状、糖尿病を完全に治すのは難しいですが、早期に発見し、適切な治療や生活改善などを続けていれば、糖尿病ではない方と同じように天寿を全うすることが可能と言われています。
編集部
早期発見するためにはどうしたら良いでしょうか?
乾先生
定期的に健康診断や人間ドックを受けること、そこで糖尿病を指摘されたら放置せず、できるだけ早めに専門医を受診して食生活の見直しや運動習慣づくりなど、生活習慣の改善に取り組むことです。早期であれば、生活習慣の改善によって血糖値が安定し、将来的な症状の出現を遅らせることができます。
編集部
糖尿病の治療について教えてください。
乾先生
糖尿病治療の基本は食事療法と運動療法ですが、それでも血糖コントロールが不十分な場合には飲み薬の使用を開始します。最も大切なのは食生活の見直し、そして減量です。英国の研究では、糖尿病と診断された40~69歳の867人のうち、追跡期間5年で257人(30%)に糖尿病の寛解が見られたのですが、10%以上の減量を達成していた人は、体重が変化していない人に比べて寛解に至る頻度が77%高いことが報告されいます。日本と英国では異なる点も多いと思いますが、注目すべきデータだと思います。
※この記事はメディカルドックにて【日本人は少し太るだけでも「糖尿病」になりやすいって本当? 欧米との食から比較】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。