「糖尿病性腎症」を悪化させない食事を医師が解説! 栄養管理のコツやおすすめ食材とは?

糖尿病の3大合併症の中に「糖尿病性腎症」があります。糖尿病性腎症を悪化させないためにはどうしたらいいのか、「まごめ内科・腎クリニック」の井上先生に解説していただきました。

監修医師:
井上 禎子(まごめ内科・腎クリニック)
編集部
腎臓疾患が進行すると透析が必要になってしまうと聞きました。
井上先生
はい。腎臓は主に体内の老廃物や余分な水分を取り除き、尿を作ることで、体内の毒素や余分な物質を排出する機能を持っています。これらがうまく機能しなくなると、初期は「タンパク尿」となり、進行するにつれて徐々にむくみや倦怠感などが表れ、最終的には尿毒症を発症し、透析治療をおこなわないと死に至ります。
編集部
そうならないための治療のポイントを教えてください。
井上先生
血糖値や血圧をコントロールするのはもちろんですが、症状が初期の段階から定期的に検査を受け、専門医からの指導をコツコツと実践し、正しい治療を継続することが大切です。治療内容としては、糖尿病治療薬や降圧剤の服用に加えて、血糖値を下げる基本の治療である食事療法・栄養管理や運動療法も重要です。
編集部
食事療法では、どんなことをするのですか?
井上先生
主に血糖値と体重のコントロールをしていただきます。糖尿病性腎症が発症する前は、血糖値を上げる要因の1つである炭水化物を控え、タンパク質や食物繊維を摂取すること、過剰な脂肪や塩分の摂取に気をつけることなどを実践していきます。また、食事内容だけでなく、食事のタイミングや食べる順番なども大事です。糖尿病性腎症を発症した場合には、また別の指導となっていきます。
編集部
具体的には?
井上先生
糖尿病性腎症を発症すると、塩分やタンパク質、カリウム・リンを摂りすぎないことが大切になってきます。さらに、糖尿病性腎症のステージが進むと、カロリーは十分に摂取していただき、タンパク質の摂取を制限していきます。
※この記事はMedical DOCにて<「糖尿病性腎症」の食事療法を医師が解説! 運動・生活のコツや注意点もご紹介>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。